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「ふ、藤井聡太竜王と渡辺明名人が目の前に…ヒー」観る将マンガ家の“名人戦ドキドキ観戦記”「佐藤天彦九段の神解説、敬意もスゴい!」
posted2023/04/11 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida/日本将棋連盟
2023年度を迎えて将棋界、いや世間的にも大きな注目を集めるタイトル戦、第81期名人戦が開幕しました。4連覇をめざす渡辺明名人の防衛か、それとも最年少名人と七冠達成に挑む藤井聡太竜王の奪取か――各月のハイライトのために、また1局ごとにじっくりと目を凝らして対局中継を見守るぞ! と思っていたところ、編集担当さんからLINEが。
「いやー僕もビックリなんですけど、名人戦第1局にエイヤーっと取材申請を出してみたところ、OKが出ました。あ、僕だけじゃないです。千田先生もです。なので2日目の椿山荘、一緒に取材しましょう」
えっ、えええっ? ちょっと理解が追いつかない展開に。
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将棋について触れるのが初めてという方に説明しますと……名人戦第1局は東京都文京区にある格式高いホテル「椿山荘」が恒例の会場となっています。僕たち観る将夫婦は2年前の名人戦第1局が行われているタイミングで「せっかくなんで行ってみよう!」ということで現地に足を運んだんですが――まさか取材者としての立場でその場を見守れることになるとは。ぜひ! ということで返事をしたところ、
「お、行くってことはイラストですよ、イラスト! ぜひ記録に残しましょう」
なんとなく編集担当さんの手筋にハマった気もしますが(笑)、名人戦第1局2日目の空間に1日いさせてもらった立場として、記憶に残ったシーンを描いていければと思います。
1)名人経験者・佐藤天彦九段の神対応+キレキレ解説
妻氏から「粗相のないように!」と数年ぶりのスーツ姿(めちゃくちゃコーディネートしてくれて感謝しかありません)で身を正して出発。聞くところによると「対局ごとに取材体制・概要が違うんですが、今日は大盤解説会の模様も取材・見学できるようです。足を運んでみましょう」とのことで、2日目午後に現地・椿山荘に到着しました。そこで担当さんに落ち合うと、なぜかこわばった表情をしてました。え、なんかあったんですか?
「あ、天彦先生がいきなりいます……」
視線をホテル入り口に移すと、このあと大盤解説会の解説を務める佐藤天彦九段の姿が! 大盤解説会に参加するファンの方々に対するファンサービスを率先してやっていたんです。まるで“お出迎えプラン”じゃないか……。さすが椿山荘、豪華絢爛な花の装飾がされてあったんですが、その前に立つ天彦九段の姿はまさに「貴族」。なんてマンガになりやすい展開なんだとも(笑)。