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日本男子で“史上6人目”…三浦佳生(17歳)の世界ジュニア優勝が“前代未聞の快挙”と言える理由とは?「現在の日本男子のレベルが高いことの証」 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2023/03/07 11:05

日本男子で“史上6人目”…三浦佳生(17歳)の世界ジュニア優勝が“前代未聞の快挙”と言える理由とは?「現在の日本男子のレベルが高いことの証」<Number Web> photograph by AFLO

世界ジュニア選手権SPでの三浦佳生の演技

日本男子として“史上6人目”のチャンピオンに

 今回の世界ジュニアタイトルは、日本男子として歴代6人目となる。過去には2002年に高橋大輔、2005年織田信成、2006年小塚崇彦、2010年羽生結弦、そして2015年の宇野昌磨といった選手たちがこのタイトルを手にしてきた。そのほとんどがのちに世界選手権やオリンピックの表彰台に上がった、そうそうたるメンバーの中に三浦も名前を連ねることになった。

「すごい皆、たくさん今まで結果を残してきた選手たちが通ってきた道の一つなので、ぼくもそこに名前を刻めるのがすごく嬉しいです。でもここがゴールじゃないので来年は絶対世界選手権に出たいですし、もっともっとレベルアップして、来シーズン以降頑張って行きたいです」

 年齢的には、15歳と3カ月でとった羽生結弦選手が最年少で、残りの選手はほとんどが三浦と同じく17歳で優勝している。

 だが今回の三浦の特殊なところは、この大会の1カ月前に彼はコロラドスプリングスで史上最年少の四大陸選手権チャンピオンになったことだ。四大陸選手権のタイトル保持者が、世界ジュニア選手権に出場するというのは、前代未聞のことである。

「四大陸の方を(世界ジュニア選手権より)先に取ってしまって、何かホントに変な感じですけど、でも一応年齢的にはジュニアでいけるんで、世界ジュニアでは四大陸のチャンピオンだぞ、という強さのオーラを出して乗り込もうって……(思っています)」。コロラドスプリングスで、試合後にそうもらした三浦だった。

日本男子の「レベルの高さ」の証明

 普通の国際大会と違い、ISUチャンピオンシップは毎シーズン4大会しかない。欧州選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権と世界選手権の4大会である。

 同じシーズン中に、ジュニアとシニアのISUチャンピオンシップタイトルを手にしたのは、1995年に世界ジュニア選手権と欧州選手権を制したロシアのイリア・クーリック以来のことだ。だが当時は世界ジュニア選手権が11月に開催されていたので、クーリックの場合は世界ジュニアを制してから欧州選手権へと乗り込んだ。だが三浦はその逆に、シニアでGPシリーズを闘いファイナル進出まで果たし、四大陸タイトルを手にして、シーズン最後をジュニアで締めくくるという珍しいケースになった。

 本来だったら当然、世界選手権に出場しておかしくない実力である。だが昨年12月の全日本選手権では調子を崩して6位に終わり、世界選手権を逃した。代わりに四大陸選手権と世界ジュニアの代表に選ばれたのだ。それだけ現在の日本男子のレベルが高く、実力が競っていることの証でもある。

【次ページ】 楽しみな来季に向けて、整った基盤

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