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平本蓮「僕の本職はMMA」パッキャオ戦よりもRIZINのベルト…大晦日のボクシングエキシに見た、“悪童”の鮮やかな一撃と格闘技への真面目さ
posted2023/01/01 17:02
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
やはり、大晦日のビッグイベントにはこの男が必要だった。2022年12月31日の『RIZIN.40』(さいたまスーパーアリーナ)。全15試合の中で最後に発表されたのが平本蓮のカードだった。榊原信行CEO曰く「今年のRIZINの主役」が平本だ。
K-1のトップ選手がMMAに転向。初戦は完敗を喫し、長期の修行期間をおいての2戦目も判定負け。「UFCのチャンピオンになる」と大きな野望を隠さず、また記者会見やSNSで毒づきまくる“悪童”タイプだから負けた時の風当たりも強かった。
それでも着実に力を蓄え、今年7月に初勝利。11月にも勝って戦績を五分にした。しかも4戦目で勝った相手は弥益ドミネーター聡志。元DEEP王者で、平本にMMAデビュー戦で屈辱を与えた萩原京平にも一本勝ちしている。そんな相手に対しての試合内容も圧倒的で、ダウンを何度も奪っての判定勝ちだった。今の平本は、まだキャリアは浅いが実力的にはRIZINフェザー級の上位陣に引けを取らないようにも思われた。
当日発表の「X」は梅野源治
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そうなれば毒舌も勢いを増す。とりわけ犬猿の仲である朝倉未来への舌鋒は鋭くなるばかりだった。朝倉は前戦のダメージもあり大晦日は欠場。平本は参戦が決まると、記者会見で言った。
「話は変わりますけど、朝倉未来どうしたんすか? 大晦日出ないなんてことないよな」
実は1年前、まったく同じ言葉を朝倉に言われていた。それを忘れず、ここしかないというところで意趣返しをしたのだ。
実は平本も足のケガを抱えていた。MMAの公式戦はできない。そこで、朝倉がフロイド・メイウェザー・ジュニアと闘った時と同じエキシビションを行なうことになった。ボクシングに準ずる立ち技ルール。結果はどうあれ選手のファイトレコードには残らない。今回は3分2ラウンドの闘いで、相手は当日発表の「X」とされた。
リングに登場したのは梅野源治。キックボクサー、というよりムエタイの強豪で、タイのメジャータイトル・ラジャダムナンスタジアムのライト級王座を獲得している。RIZINでは皇治戦が話題となった。平本とのマッチアップは、打撃のスペシャリスト同士ということになる。
平本の左フック直撃、倒れる途中で鳴ったゴング
ジャブの差し合いから、平本が圧力をかけていく。梅野の左フックも当たっていた。それでも落ち着きを崩さない平本。1ラウンドの攻防で、相手がそれほど打たれ強くないと感じたそうだ。