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《W杯直前トップアスリート対談》「すでに勇気と感動をもらってます」長友佑都×池江璃花子「同じ人間ならできないわけがない」
text by
渋谷編集室 with ABEMASports Graphic Number with ABEMA
photograph byAtsushi Kondo
posted2022/11/16 11:00
共通の知人を介し、3年越しの対面が叶った2人。その年齢の差はなんと14!
長友 わかるわぁ。僕の周りでも、先輩に貪欲に聞きに行く選手が少なくなっています。自分が若手のときは、めちゃめちゃ聞きに行きました。代表に入ったら、中村俊輔さんにずっとついて、どんなトレーニングをしているのか、どういう思考でサッカーをしているのか、うざいくらい聞きましたよ。「お前また部屋に来たのか」と言われていましたけど、最近はこっちからそういう場を設けないと来なかったりしますね。
池江 そうですよね。
長友 代表は、若手も自信があるから、意見のコミュニケーションも活発ですけど。代表以外では難しいですね。
池江 水泳も、代表は自分の意見を持っている選手や、個性的な選手が多いのでわりと大丈夫です。次世代の可能性がある選手たちが伸びるためには、意見を言ったり意志を持つのは大事なことだと思うんですけど、なかなか難しいです。
長友 サッカーの日本代表の若手は、みんな早くから海外でプレーしているので、自信があるんです。海外にいたら自己主張ができないと全部自分のミスにして終わらされるんです。そういう厳しい場所を自分で選んで戦っているので、コミュニケーションも自信を持ってやっていますよね。今の代表は若手もベテランもかなりコミュニケーションが取れていて、そのおかげでいいチームになっていますよ。ワールドカップは面白い大会になると思います。
長い選手生活を支えるメンタル
池江 長友選手は、ワールドカップに4回目の出場、ということは12年の月日が。私はいま22歳なので……。
長友 わっ、僕が最初に出たとき、10歳?
池江 ですね。
長友 オッサンになったわ。
池江 水泳選手は選手生命が短いんです。だいたい25歳前後で引退する選手が多い。そのなかでも入江陵介選手のような30を超えてもずっと挑戦し続けている姿を見て、長く続けられるメンタルってどういう感じだろうって。アスリートっていつまでたっても満足ってしないと思うんですけど、長友選手がいつまでも頑張っていきたいと思うメンタル、その原点って何ですか。
長友 モチベーションや向上心は、上がる一方なんですよ。それが当たり前だと思ってたんですけど、みんな続かないみたいで。ある程度の結果を得たら、それに満足して努力を続けなくなる選手が多いみたいなんですよ。僕は、何かを達成したら次の目標や大きな夢ができて、そこに突き進んでいく。それが人生だと思っているので。だから諦めてしまう人の気持ちがわからない。