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人気馬メイケイエールはスプリンターズSでGI初制覇なるか? 気性難の牝馬と池添謙一の覚悟…名手が絶句した日「子供…、あの馬の子供…」
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島田明宏Akihiro Shimada
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posted2022/10/01 11:00
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セントウルステークスを完勝し、初のGIタイトルを狙うメイケイエールと池添謙一
メイケイエールも実は“白毛一族”
メイケイエールを負かす馬がいるとしたら、昨年のNHKマイルカップ優勝馬シュネルマイスター(牡4歳、父キングマン、美浦・手塚貴久厩舎)が一番手か。これが初めてのスプリント戦で、結果を出しているマイルでも、序盤はゆっくりとした競馬になってしまうことがあるだけに、1200mへの適性が心配されている。が、手塚調教師が話しているように、横山武史が乗ると、難なく前につけて立ち回ることができる。一昨年のグランアレグリアのように、マイルとの「2階級制覇」を達成できるか、注目したい。
今年の桜花賞の3着馬で、小倉2歳ステークス、函館スプリントステークスとスプリント重賞を勝っているナムラクレア(牝3歳、父ミッキーアイル、栗東・長谷川浩大厩舎)も相当強い。
◎メイケイエール
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○シュネルマイスター
▲ナムラクレア
メイケイエールは、自身が鹿毛だし、その強烈な個性ゆえ忘れられがちだが、母はシロインジャー、2代母はユキチャン、3代母はシラユキヒメという「白毛一族」の一頭である。
白毛遺伝子というのはほかの毛色の遺伝子に対して優性(顕性)なので、それが毛色に出ていないメイケイエールは白毛遺伝子を持っていない、ということになる。ゆえに、繁殖牝馬となって白毛の仔を産むには、白毛の種牡馬と交配するか、一族の牝祖シラユキヒメのような突然変異に期待するしかなくなる。
それはさておき、この一族は、実は気性の激しい馬が多く、高い能力と一緒にそうした部分も子孫に伝えている。メイケイエールと最多タイの重賞6勝を挙げているのは、同じ一族のソダシだ。
ここを勝って、GI初制覇を遂げると同時に、一族2頭目のGI馬となり、現役単独トップの重賞7勝目をマークするか。名手に導かれた快速娘のパフォーマンスを見るのが楽しみだ。
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