欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英は「シルバらと共存・連動」が今のソシエダで最適解か マンU戦勝利から中2日→“トップ下で迷った”古巣戦を撮って気づいたこと
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/09/14 17:01
ヘタフェ戦ではトップ下で起用された久保建英
ボールの出しどころに迷うような場面も
久保がドリブル中、ボールの出しどころに迷うような瞬間が撮影できた。その迷いが、ヘタフェの久保への寄せを容易くさせる。今季ここまで見られていた久保、シルバ、メンデスとの近い距離感でのパス回しが今日は見ることができず孤立してしまっていた。
さらに連戦の疲れ、暑さ、ヘタフェが前面に押し出してきた肉弾戦と、全てがこの日の久保には不利に働く。いつもより運動量も少なく、大きな見せ場も作れなかった。
久保だけではなく、チームとしてもソシエダは低調で、1分け3敗と勝利を挙げることができていない相手に、開始間際11分の段階でPKを献上している。GKレミロがこれをストップし事なきを得たが、前半終了間際にFKからエネス・ウナルにゴールを奪われた。
また前半、移籍期間終了間際に加入し主力になるかと期待が高まっていたサディクが負傷交代。右膝前十字靭帯の断裂により今季絶望との情報が出ている。
名手シルバが見せた“トップ下としての格の違い”
前半終了間際には、シルバ、メンデスがアップを開始し、後半頭から久保との交代も予測された。
後半開始から久保、トゥリエンテスに代わって、シルバ、メンデスが出場。しかし、48分、アレーニャにゴールを奪われてしまった。直後の50分、シルバがチョへ展開、チョがクロスを送るとメンデスがヘッドで流し込みゴールを奪った。
交代出場のシルバは、トップ下のポジションで久保との格の違いを見せた。
独特のタッチでヘタフェのプレスをかいくぐり、ソシエダの中盤に落ち着きを与え、また前線へパスを供給した。また途中出場となったチョも出色の出来で、左サイドで果敢に勝負を挑みチャンスを作った。しかし最後までゴールを割ることはできなかった。
後半を通して、ヘタフェ右サイドバックのダミアンには、真後ろに位置取るソシエダファンからのヤジが飛んでいたが、試合終了とともに満面の笑みで煽り返す姿に、気持ちの強さを見せつけられたソシエダサポーターには返す言葉がなかった。