始めから終わりまで、掠すれることなく太い線でグイッと描かれたような上がりっぱなしの眉が、彼の核たる部分を象徴しているように感じるのだ。

　小動物のようにクリッとした笑みを見せたかと思えば、人生を見透したかのような悟った顔にもなる。めまぐるしく変わる表情の中で、その眉だけは不変、不動なのだ。

　根尾の何がここまで人を期待させるのか。

数カ月ですでに、エピソードだらけ。

　大阪桐蔭・西谷浩一監督はこう言った。

「私が接した3年間で感じたことは、好奇心、探究心がいつも変わらないということです。人間ですから誰でも勝ったり負けたりした後は多少、取り組み方が変わると思うんです。私もそうです。ただ、彼はブレなかった。甲子園で優勝しても、ドラフトにかかっても、全くブレませんでした」

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＜平成最後のゴールデンルーキー＞ 根尾昂「上がり眉に込められた明るい未来」