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「ロウキのストレートは凄いよ」佐々木朗希の快挙にマーティンが大喜びした理由…9年前、ベンチに帽子を叩きつけた“完全試合未遂”
posted2022/04/17 11:02
text by
千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph by
Sankei Shimbun
背番号「17」の元に仲間たちが駆け寄る。
レオネス・マーティン外野手もベンチから飛び出すと猛ダッシュをして主役を抱きかかえ、祝福の水をかけた。
「私の人生でこれほど素晴らしい投球をみたことがない。初めての事。ものすごく興奮したよ」
4月10日のオリックス・バファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。佐々木朗希投手が28年ぶり、史上16人目の完全試合を達成すると、マーティンは目を潤ませながら、そう話をしてくれた。
ダルビッシュの完全試合未遂
マーティンはメジャー時代にも“あと1人で完全試合”という体験をしている。
当時レンジャーズに在籍していた2013年4月2日、マウンドにはチームメートのダルビッシュ有がいた。敵地でのアストロズ戦。スタジアムは回を追うごとに異様な雰囲気に包まれていった。
9回も簡単に2死を奪い、あと1人――しかし、最後の最後で打球は無情にも中前へと抜けていった。戦況をベンチで祈りながら見守っていたマーティンは、まるで自分の事かの様に天を仰ぎ、悔しがって帽子をベンチに叩きつけた。
「あの時は本当に悔しかったね。あれから月日が流れて日本でこういう瞬間に立ち会えて本当に嬉しいよ。光栄だ」
頼れる助っ人は遠い昔の事のように当時を振り返り、そして笑った。