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《独占インタビュー》イチロー48歳が語る、なぜ高校球児を教えるのか?「今の高3は僕より重い選手が大半」「仰木監督のセンスに触れたから」
posted2022/04/14 17:03
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Takuya Sugiyama
――イチローさんは今もなお、高校生の前で投げて打って、走って守っています。
「このサイズの身体であることが高校生にとっては大きいのかもしれません。今の高校生は3年生にもなれば僕より体重の重い、しっかりした身体の選手が大半です。それが僕のプレーを見て『えーっ』という反応になる。そして疑問が浮かび、考える。短時間でモノにするのは難しいけど、その動作から導かれる結果を見て、なぜだろうと考えるようになれば、次につながる。身体だけを見れば僕よりも大きくて強そうな高校生が、なかなか僕と同等以上の結果は得られない。動画で昔の僕のプレーはいくらでも見られますが、実際に目の前で見るのとでは伝わり方がまったく違うと思います」
――このオフは東京の國學院久我山、千葉明徳、高松商の3校へ指導に出向きました。その後は高校女子の硬式野球選抜チームと試合をして先発、極寒の中、一人で147球を投げ切りました。イチローさんが高校生と向き合う理由はどこにあるんですか。
「高校野球は野球のおもしろさや魅力にあふれています。そしてみんな脳ミソがやわらかくて好奇心旺盛。一緒にやるのはけっこう大変なんですけどね。でも結局はどんな理屈をこねるよりも一球投げて、一発打つことのほうが彼らにはずっと響くし、届くんです。これはどの高校へ行っても同じなんだと感じました」
「仰木監督のセンスに触れたからです」
――過去の戦績やレベル、モチベーションが違う高校生と接してみて、イメージしていたのとは違う発見はありましたか。
「高校生たちは、プロとはどういうものなのか、を自分の目で見て肌で感じたいのだと思います。それはきっと、どのレベルであっても同じではないでしょうか。理屈でどれだけ雄弁に語っても、実際に見る一球にはかなわないことがよくわかりました」
――とはいえ、イチローさんには言葉の力もあります。伝えたいことを言葉にする難しさは、どう感じていますか。