おぼん　営業は最低でも30分やな。いっぺん、コウメ太夫と一緒になったとき、そんな30分も一気にはできないんで、間に1組入れて欲しいって頼んでたな。そんで、その間に次のネタ覚えとくから、って。

巨人　東京の人気のある若手漫才師が、客席に降りて、ずっとお客さんと握手してましたよ。長いネタ無いからって（笑）。

おぼん　客席に降りていって、一緒に写真撮ったりな。

巨人　昔やったら、先輩に怒られてますよね。「何しとんねん！」いうて。客席に降りられると、そのあと、やりにくいんですよ。次から、お客さんも、そんなのばっかり期待するようになるでしょ。

おぼん　ほんま、笑ってまうな。

こぼん　今の若手は10分がいいとこでしょ。

「（おぼんこぼん兄さんは）1時間のショーで、なんぼですか？」

おぼん　（ビート）たけしが出てきてから、漫才、がらりと変わったな。

巨人　はいはい。

おぼん　それまでは、ネタ振りがあって、組み立てがあって、オチがあってという漫才やったやん。でも、たけしの場合、出てきて、いきなり悪態をつく。こんなん漫才と違うやんけと思いながら、でも、やっぱり売れてもうたら向こうの勝ちや。そしたら、もう、みんなたけしみたいな漫才ばっかりやるようになった。

©Shigeki Yamamoto

巨人　ツービートさんの漫才は、それこそ、今のM-1に近いかもしれませんね。短時間で、熱量を一気に放出するというか。

おぼん　たけしが漫才やめたのは、ネタ考えられへんようになったからや。もうネタないわ、て。おれら、なくなっても考えるやん。何か、出てくるまで。

巨人　いうても漫才師やからね。

阪神　ちなみに、1時間のショーで、なんぼですか？

おぼん　呼んでくれる？　時価やけどな。友達価格にするわ。

巨人　2組でやりませんか。

おぼん　トークを真ん中に入れてな。こんな話をしてさ。なんぼでもできるで。

巨人　いっそのこと、今から吉本来ません？　110周年ですから。漫才師みんなで全国を回ってくれ言われてるんですよ。

おぼん　あっ、そう。

巨人　今やったら、吉本もええ金出すと思いますけど。

おぼん　どや。

こぼん　じゃあ、おれも一緒に。はははは。

おぼん　金にもなるけど、相棒は相棒やからな。ただ、長年世話になってるマネージャーもおるし、もうここまで来たら離れられへんな。

＜#1、#2から続く＞