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大相撲最強王者の抜けた穴…“ポスト白鵬”はどうなる? 横綱照ノ富士の一強時代か、貴景勝ら大関が巻き返すか…“不気味な存在”は?

posted2021/11/24 17:07

 
大相撲最強王者の抜けた穴…“ポスト白鵬”はどうなる? 横綱照ノ富士の一強時代か、貴景勝ら大関が巻き返すか…“不気味な存在”は?<Number Web> photograph by KYODO

九州場所も10日目まで全勝の照ノ富士。“ポスト白鵬”は照ノ富士の一強時代になるのか、それとも…

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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 横綱白鵬の名が番付から消えた九州場所も先場所に引き続き、一人横綱の照ノ富士が土俵をけん引。2日目、大栄翔に押し込まれて危うい場面はあったものの抜群の安定感は相変わらず。ここまでただ1人全勝を守り、第一人者としての重責をしっかり全うしている。

 横綱デビューの先場所も最後まで単独トップの座を明け渡すことなく、史上9人目の新横綱優勝を達成したが、最後まで賜盃を争ったのは34歳(当時)の元関脇で平幕の妙義龍だった。大関陣を含む役力士は優勝戦線に絡むことはなく、実質的には強さが際立っていた照ノ富士の独走と言ってよかった。正代、貴景勝の両大関はともに勝ち越すのが精いっぱいで、8勝止まりに終わった。

 長く角界の頂点に君臨していた白鵬は、6場所連続休場明けで進退がかかっていた先の名古屋場所で全勝優勝という離れ業をやってのけ、最強のまま土俵を去った。晩年は休場が目立ち、最後の4年間は2場所連続での皆勤場所はなく、古傷を抱える右膝をはじめ、体はすでに満身創痍だった。それでも“間引き出場”をしては賜盃を掻っ攫い、落日を迎えていた王者を引きずり下ろす者は現れなかった。

 昨今の横綱不在場所は優勝者の顔ぶれが、大関から幕尻まで目まぐるしく変わった。賜盃を抱いたとしても、その強さが2場所、3場所と持続しない。コロナ禍で稽古環境に制約が課されたことも無関係ではないにしろ、横綱に駆け上がった照ノ富士を除けば、それだけ大関も平幕も実力的にはさほど大きな差がないのが現状で、激しい星の潰し合いが毎場所のように展開されている。

大関貴景勝25歳は“後半の失速”が気がかり

 今場所は横綱照ノ富士とともに大関貴景勝が、勝ちっぱなしで場所を折り返した。先々場所は逸ノ城戦で首を痛めて途中休場。頭からぶちかまして相手に圧力をかける相撲が身上の大関にとって、首のケガは致命傷と思われた。カド番の先場所も序盤は立ち合いでしっかり当たれず、初日から3連敗と苦しんだ。負傷箇所が箇所なだけに通常なら恐怖心やトラウマがつきまとうものだが、25歳の若き大関は持ち前の強靭な精神力でこれに打ち克ち、勝ち越しを決めて大きな危機を乗り切った。

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