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投手・大谷翔平が10勝目前で“登板断念”した真相…監督・GM・本人も納得のシーズンだった「来年、また別のレベルに到達する」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2021/10/03 06:01

投手・大谷翔平が10勝目前で“登板断念”した真相…監督・GM・本人も納得のシーズンだった「来年、また別のレベルに到達する」<Number Web> photograph by Getty Images

今季最後の登板となった9月26日のマリナーズ戦。10勝目ならずも、7回1失点と好投した

今季の投手・大谷を語る上で見逃せないポイント

 大リーグ機構は6月、投手の粘着物質使用の規制に乗り出した。暗黙の了解とされていた松ヤニや粘着クリームなどの使用が禁止され、その結果、グリップ力を失った一部投手たちはフォームを崩し、大きな怪我をした選手もいた。無論、新たな滑り止め対策にも取り組んだが、投球フォームの改善も求められた投手は多い。

 一般的に滑る感覚とは、テークバックからトップを作る際に感じるという。急激に加速する腕の動きにボールが抜けるような感覚を覚え、滑らせるまいとつい無意識にボールを強く握ってしまうことでフォームを崩すというのである。

 その対策として、昨今、テークバックをシンプルにするフォームへの移行は投手たちのトレンドでもあった。大谷はこの部分で見事な対応を見せ、小さなテークバックでの投球フォームの改良に成功した。今季の投手・大谷を語る上で見逃せないポイントと感じる。

 大谷は自身の投球に対し「まだリハビリの過程。もっともっと良くなると思っている」と語っている。彼が目指す理想の投手像とは、100マイル(約161キロ)の直球中心にパワーで打者を圧倒するスタイルであろう。今で言うならば、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)やゲリット・コール(ヤンキース)のようなピッチングか。今季はその領域に到達するための通過点。二桁勝利と二桁本塁打は今季だけのチャンスではない。『それが当たり前になること』。大谷翔平ならば、こんなことを考えているに違いない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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