ババは相手からボールを奪い切れる頼りになるボランチ。ガラレタを含めて、トップ下で出場する久保とのさらなるコンビネーションの向上を期待したいです。

　後半もトップ下からサイドまでのゾーンでボールを受けてはチャンスを作り出しますが、シュートまで持っていけません。

　ジョルディ・ムブラは代表ウィークの間にSNSでド派手なヘアスタイルを公開していましたが、この日はかなり落ち着いた感じで、ハートマークだけになっていました。

　プレーが途切れた際に、久保は監督から指示を受けていました。その後ボランチのババからくさびのパスがトップのフェル・ニーニョに入ると同時に久保が走り出し、ニーニョがワンタッチで久保にパス。ダニ・ロドリゲスに展開してシュートまで持っていったプレーは素晴らしかったのですが……。

　後半に入って63分、0対0の状況でしたが、攻勢に出ているビルバオ指揮官が一気に3枚替えの指示。久保は後半も必死にDFにプレスをかけていきます。また少ないチャンスをものにしようと、サイドや裏のスペースを突こうとしますが、ビルバオの壁を越えることはできませんでした。

　3枚替えの交代から5分後、前述したセンターバックのビビアンがムニアインのFKを押し込みゴール。あまり「1on1」になる機会はありませんでしたが、両チームの起点同士の争い。

　ムニアインはFKと前プレスからマジョルカDFのミスを誘い、そのボールを奪って試合を決める2点目もアシスト。久保もレンタルで加入している“助っ人外国人”の立ち位置で、常に得点につながるプレーが期待されています。

　終盤になり監督もヒートアップ。混戦の中で、久保が強烈なシュートを放ちますが、DFに当たってしまいました。

イ・ガンインとの連係はどうだった？

　韓国での期待が高く、リーガでもバレンシアでプレー経験のあるイ・ガンインがマジョルカでデビュー。トップ下に入り、久保が右サイドに移動しました。しかしイ・ガンインら3名の交代直後にビルバオの2得点目。DFのミスを突かれ、勝負を決定づけられました。苦境の中でも久保はイ・ガンインからのサイドチェンジを中に持ち込み、チャンスをうかがう場面もありました。

　久保は77分、FWのアブドゥンと交代、ピッチを後にします。大きく息を吹き出し、悔しそうな表情を浮かべていました。

　チームの総合力としても、個々人の力量でも地力の差を見せつけられた試合だったと感じていました。その中で久保自身は、随所にチャンスを作り出していたことは確か。その上で、チームを勝たせることができなかった責任感のようなものを、カメラ越しから感じました。