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藤井聡太19歳に “泣きながら勝った小学校3年生”から10年弱で… タイトル経験者に「力負け」と言わしめる成長の源とは
 

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photograph by日本将棋連盟

posted2021/07/19 06:00

藤井聡太19歳に “泣きながら勝った小学校3年生”から10年弱で… タイトル経験者に「力負け」と言わしめる成長の源とは<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

棋聖戦で防衛に成功し、19歳となった藤井聡太二冠は王位戦、叡王戦にも挑む夏となる

泣き続けたまま3位決定戦を戦い……

 2012年の小学生大会、当時小学校3年生だった藤井聡太少年を初めて見たときのこと。藤井少年は準決勝で負けてしまい、人目をはばからず泣いたという有名な話があるが、「本人は泣き続けたまま3位決定戦を戦って勝った」という。敗戦で心が波立っているというのに勝ってしまう……藤井聡太という棋士の才能を感じさせる一節だ。

 その後は藤井二冠本人が大好きだという詰将棋で力を伸ばし、杉本昌隆八段という「素晴らしい師匠と巡り合った」ことで飛躍への土台を作った。自発的な努力と恵まれた環境が、藤井二冠にとって追い風だったのは確かだろう。

藤井-豊島の対局をプロはどう見ているか

<名言3>
将棋は人と人が戦うもの。得意戦型や相性によって、星が偏るというのはよくあることです。
(佐藤紳哉/NumberWeb 2021年6月29日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/848614

◇解説◇
 豊島将之竜王・叡王が世間的に“藤井キラー”という印象を与えたのは、2020年9月12日の第41回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦、そして10月5日の王将戦挑戦者決定リーグ戦と連勝したからだろう。

 特に王将戦挑決リーグで藤井二冠が中継画面に表示される評価値「99%」の状態から逆転負けを喫したのは、大きな衝撃を与えることになった。

 藤井二冠の渡辺明名人に対する勝ち越し数もあり、3人の「相性」が注目されている。その一方で、棋士の視点では「豊島竜王の強さ」を再確認したという向きもあるようだ。

 勝又七段は、JT杯後に自身のツイッターで対局後「通算勝率8割4分の二冠王に5連勝するバケモノがいるらしい」と感嘆のつぶやきをしているのが代表的だろう。また将棋界きってのエンターテイナーとして知られる佐藤紳哉七段も「そこまで差がつかなくても……というのが、ふたりの対局を見ていて感じるところです」との言葉とともに、真剣な表情でこう語っていた。

【次ページ】 実際に藤井二冠と対局した中村太地七段の重い言葉

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