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「僕は元々、くそネガティブ」 メジャー2年目はスタメン僅か“14試合”…秋山翔吾は“数字”で出場への「世論」を作れるか?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2021/07/18 17:01
オープン戦での怪我から代打、守備での出場が続く秋山翔吾。後半戦でのスタメン奪取はなるか
いつの頃からだろう。スタメンであろうがなかろうが、全体練習の数時間前、誰もいない外野の芝を走る秋山の姿を見るようになった。長いランニングをして体をほぐし、ストレッチを入念に行い、何度も何度も短い距離を全力で走るようになった。
「僕は元々、くそネガティブで、すっごい面倒くさいことをやりたがる人間なんです。何事も理屈で考える。何事も頭の中で整理してからでないとできない人間だから、時間もかかる。打撃もそうだし、ランニングも自分の中で絶対に落としたくない、これから伸びていくぐらいの気持ちでやりたいってのがあるからやってる。あんまり試合に出てないから、出る時の集中力とか、細かい動きとかは出しづらいですよ…それはやっぱり。でもランニングとか、同じことをある程度、毎日やっておくっていうのを決めているから、折れてないように見えるんじゃないですか」
ゴスペルと言うよりは、“泥臭い”ブルース
今は苦しいけど、明るい未来が待っているはずだから――。
そんなゴスペルっぽい言葉も、彼の中ではちょっと違う感じで響いているような気がする。
「去年、打ち方を変えた時もそうですけど、これ以上はどうにもならないってとこまでいかないとひっくり返せない、開き直れないものなんです。ただ、その思い切り変えなきゃいけないところの前まである程度、自分で詰めているから、粘りながらやって行けている」
ゴスペルと言うよりは、ブルース。しっかり根を張って、泥臭く。
秋山の勝負を懸けた後半戦が始まる――。