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「僕は元々、くそネガティブ」 メジャー2年目はスタメン僅か“14試合”…秋山翔吾は“数字”で出場への「世論」を作れるか?
posted2021/07/18 17:01
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
まるでゴスペル・ソングみたいだった――。
日曜日の教会で歌われる希望の歌。今は苦しいけど、明るい未来が待っているはずだから、と歌われるゴスペルみたいに、その言葉は響いた。
「His time will come(彼の時は来る)」
そう言ったのは、レッズのデイビッド・ベル監督だ。7月7日、カンザスシティーでの試合前の会見の言葉である。もう何度、似たようなことを聞いただろう。「(日本で)毎日、試合に出ていた彼にとっては難しい状況だ」、「外野手が全員、好調な中、最善を尽くしてくれている」、「出場を重ねれば調子は上がるだろうし、その時は来る」……。
それらはすべて、出場46試合中32試合が、代打や守備固めなどの途中出場で埋め尽くされている秋山翔吾外野手についてのコメントだ。日本のメディアとしては「その“時”はいつなんだ?」、「7月末のトレード期限で誰かが放出されれば出場機会が増えるのか?」などと詮索してしまうのだが、先のことなんて分からない。大事なのは秋山が今、どんなことを考えて、日々を過ごしているのかだろう。
メジャーリーグ1年目の去年よりも遥かに厳しい現実
「だからスタメンの日、ムチャクチャ緊張するようになったんですよ」
秋山がそう言って笑ったのは、オールスターゲームまであと4日と迫った、7月9日のことだった。
「他の選手の怪我とか、彼らを休ませたいとかが(スタメンの)理由なんで、首脳陣があえてショーゴを使いたいっていう状況じゃないのは分かってるけど、僕にとってはやっぱり、どの1試合、どの1打席も『よし、見とけ!』と思うわけですよ」