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澤村拓一の4~6月戦績を見ると“レッドソックスで評価アップ中”? MLBで「進化」した上原浩治の再現なるか
posted2021/06/28 17:30
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Winslow Townson/Getty Images
レッドソックスに移籍して、マウンドで気合満々の雄たけびを上げる澤村拓一を見ていると、もう何年も前からこのチームにいるかのような錯覚を覚える。
エリート然としたヤンキースとは対照的に、ライバルのレッドソックスはワイルドな風貌の選手が多い。
古くはペドロ・マルチネス、マニー・ラミレス、今でいえばJDマルチネス、ザンダー・ボガーツ。頭にバンダナをまけば、そのまま海賊になりそうな選手が多いが、長髪にひげを蓄えた澤村も、その「一味」という感じで見事に溶け込んでいる。最近は、マウンドで活き活きしているし、よほど水があったのではないか。
救援投手には、重要度に合わせて持ち場が変わっていく。最初は敗戦処理、大きくリードした状況での中継ぎ、次に同点での登板、そしてホールドが付く僅差での登板、さらにクローザーなどがある。
月ごとの戦績を細かく見ていくと
では澤村は今、どんな仕事を託されているか?
月ごとの今季の戦績を細かく見てみよう。
Wは勝っている試合での登板、3点差以内ならホールドが付くシチュエーションとなる。Eは同点での登板、Lは負けている試合での登板である。なおNPBでは同点の状況で0点に抑えてもホールドが付くが、MLBではつかない。
4月 10試1勝0敗1H 11.1回8安3本5四12三 責4 率3.18
W 1試0勝0敗1H 1.1回0安0本1四0三 責0 率0.00
E 3試0勝0敗0H 3.1回2安1本1四3三 責2 率5.40
L 6試1勝0敗0H 6.2回6安2本3四9三 責2 率2.70
4月は10試合のうち、負けている試合での登板が6試合、同点が3試合。ホールドシチュエーションでは1試合しか登板しなかった。また被本塁打3と、それほど信頼感があったわけではない。
5月 8試0勝0敗2H 8.1回11安1本2四14三 責2 率2.16
W 2試0勝0敗2H 1.1回2安1本0四2三 責1 率6.75
E 1試0勝0敗0H 0.2回3安0本1四1三 責0 率0.00
L 5試0勝0敗0H 6.1回6安0本1四11三 責1 率1.42
相変わらず負けている試合での起用が多かったが、5試合で自責点1、11奪三振と好投を見せた。勝っている試合は2試合ともホールドシチュエーションで2ホールド。失点を喫したケースもあった。