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競泳日本選手権・要注目の16人 金メダル候補の“カツオ” や「瀬戸・萩野時代」に挑む17歳&18歳の名は…【伊藤華英が解説】
text by
伊藤華英Hanae Ito
photograph byJIJI PRESS
posted2021/04/03 06:00
瀬戸大也(左)と萩野公介は若き選手との”世代間バトル”に挑むことになる
それは小方颯選手と田渕海斗選手という10代の2人です。
この4月で高校3年生となった17歳の小方選手はジャパンオープンの400m個人メドレーで予選1位通過をしていますし、大学1年生となった18歳の田渕選手も400m個人メドレーで4分13秒台の自己ベストをマーク。また200mでは本来背泳ぎの砂間敬太選手が萩野選手に次ぐ記録で、それぞれ派遣標準記録を切っているなど、一気に台頭してきた印象です。
長年にわたって「瀬戸・萩野時代」が続いていた個人メドレーですが、「パリ五輪まで3年」であることを踏まえると、2人のような若い力が台頭してほしい時期でもありますね。4年ですら"あっという間"なのですが、3年というと……"もっとあっという間"になってしまいますからね。
近年の競泳界は練習環境の充実などによって、昔と比べて年齢を重ねても長く競技を続けられるようになっています。そういった意味で男子個人メドレーは、世代間でのハイレベルな競争を楽しめるのでは、と思います。
男女ともに平泳ぎは激戦必至
そのほかの種目でも非常に激しい競争が繰り広げられています。
男女ともに平泳ぎは激戦になることが予想されます。特に女子100m平泳ぎでは青木玲緒樹選手と渡部香生子選手、また記録を一気に伸ばしている宮坂倖乃選手、そして経験値のある鈴木聡美選手も健在です。
一方で男子平泳ぎは200mが最もレベルの高いレースになるのではないでしょうか。
2017年に世界新をマークした渡辺一平選手と、すでに2分6秒台をマークしている佐藤翔馬選手の2強体制であることは確か。ただし2020年に急成長した武良竜也選手、そして佐藤選手と慶大で同学年の深沢大和選手、2019年の世界選手権代表の小日向一輝選手らもいるため、お互いが切磋琢磨して好記録が期待できるのでは――と期待しています。