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羽生善治九段、前人未到のタイトル100期へ。
竜王戦挑決、最終盤の「手の震え」は出るか? 

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posted2020/08/17 13:15

羽生善治九段、前人未到のタイトル100期へ。竜王戦挑決、最終盤の「手の震え」は出るか?<Number Web> photograph by KYODO

羽生善治九段(撮影別日)

 第33期竜王戦挑戦者決定三番勝負が始まった。羽生善治九段(49)と丸山忠久九段(49)が豊島将之竜王(30)への挑戦権を争う。

 羽生九段が先に2勝を挙げ、挑戦することになると、タイトル通算100期という前人未到の記録がかかった大勝負となる。

 本日10時に東京・将棋会館で始まった第1局は、振り駒の結果後手番となった丸山九段が得意とする戦型「一手損角換わり」を選択。この戦型を深く研究している丸山九段は持ち時間を全く使わず指し進め、昼食休憩に入った12時の段階で、それぞれの消費時間(持ち時間は各5時間)は羽生九段1時間40分、丸山九段0分と大きく差がついた。

 重要な一番の“勝負飯”は羽生九段は「五目炒飯」、丸山九段は「麻婆豆腐丼」(ともに紫金飯店)だった。

 将棋ファンには広く知られた話だが、羽生九段は大きな対局の終盤で、駒を持つ手が大きく震えることがある。

 挑戦者決定三番勝負進出を決めた準決勝の梶浦宏孝六段戦でも、中継サイトで92手目「少し羽生の手が震えていた」、98手目「大詰め。ブルブルとした手つきだったが、銀をひっくり返してから盤に押し込めるかのように着手した」と報じられている。その後、102手にて羽生九段の勝ちとなった。

“勝ちを確信したとき”に震えが出る?

 こうした「手の震え」は“勝ちを確信したとき”に出るものなのでは、と見られている。

 自身も「手の震え」を経験したことがある、羽生九段と同学年の先崎学九段(50)は著書『今宵、あの頃のバーで』のなかで、手が震えた対局の3回中2回に共通することとして、次のように記している。

「ずっと苦戦でやっと勝ちが見え、それが目前のものであったこと、絶対に間違いないと何度も念を押す中でのこと、などである。こういう時に人のプレッシャーというのは最大値になるようだ」

 つまり、羽生九段の「手の震え」が出たら、タイトル100期に一歩近づいた可能性が高いと言える。

 本局は「ABEMA」で中継されている。展開次第では、羽生九段が手を震わせながら指す様子をリアルタイムで見ることができるかもしれない。

 スポーツよりは圧倒的に動きが少ない将棋の対局であるが、野球ならイチロー選手、競馬なら武豊騎手に匹敵する不世出の天才が、考え、悩み、手を震わせながら指す姿を見れば、胸に迫るものがあるはずだ。

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