マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
大人たちの「高校野球」の話ばかり。
主役の選手たちの声が聞こえない。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/05/29 11:40
選手の気持ちが大切だと言いながら、選手自身の声は聞こえてこない。それで本当に選手ファーストといえるのだろうか。
この5.20は新しい高校野球の端緒。
夏の中止を決した日、しかるべき人から、球児たちへのメッセージが発せられるものと、てっきりそう思い込んでいた。
高校野球が本当に「教育の一環」であるならば、球児たちがそれぞれの場でしっかりと踏みとどまり、ヨイショ! と新しい1歩を踏み出していけるような、そんな金言が発せられるものと楽しみにしていた。
球児たちの声を吸い上げる……いや、球児たちから自然に声が上がるシステムを。
今回のような大ピンチに、選手たちから動き出せる、そんな新しい雰囲気の高校野球を。
今までと違った「高校野球」の端緒となる「5.20」に。
10年後、20年後、振り返ってみるとあの日がスタートだったね…そんな5月20日になるような予感がしている。