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新リーグもW杯再招致も肝は育成。
ラグビー人口の増加が最重要項目。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byNaoya Sanuki

posted2020/05/12 17:00

新リーグもW杯再招致も肝は育成。ラグビー人口の増加が最重要項目。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

あのラグビーW杯をもう一度日本へ。そのためには、日本でのラグビー人気の維持・拡大が必要だ。

急減している競技人口を維持、拡大。

 ひと言でまとめれば持続可能なリーグとチームの創出、ということになるが、そのための最重要課題は競技人口の維持拡大だろう。昨秋のW杯開催で多いに盛り上がったラグビー界だが、競技人口は減っているのだ。

 競技人口を維持拡大するためには、すそ野を広げていかなければならない。新リーグ参入にあたって、各チームは「育成構想を立案し、実施を目ざすこと」とされている。

 2021年の開幕時はU-12やU-15のチーム保有を努力目標とし、3年後の24年度にはチーム保有を必達目標とした。この段階では女子チームの保有も推奨する、としている。

 育成組織を保有するメリットは、サッカーのJリーグを見れば明らかだ。自分たちで選手を育てることは、将来的な戦力の確保につながると同時に、幼少期からクラブへのロイヤリティを育むことにつながる。

子どもが関われば、家族も観にいく。

 トップチームと同じウェアで練習をしたり、公式戦でボールボーイをしたり、前座試合でプレーしたりすれば、競技を続けていくモチベーションは高くなるだろう。

 そうやって子どもが試合に関われば、家族は観にいくものだ。育成組織を持つことで、幅広い層にクラブの存在価値をアピールできる。もちろん、観客動員にもつながる。

 育成組織で育った子どもたちは、トップチームでプレーできなくても、ラグビーという競技から離れても、「自分のチーム」としてクラブに興味を持っていく。スタジアムを訪れる観客のひとりになる。

 家族ができれば、子どもを連れていく。世代を超えてクラブを支えていくサイクルが、出来上がっていく。

【次ページ】 地域との関係性も密にする。

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