ルーティンの中で自分の調子を見極める。

　昔は、試合当日は誰とも喋らない方がいいとか、笑ったりしない方がいいとか、自分で勝手にシャットアウトしていました。例えば試合前にニヤニヤしていて打たれたら、ふざけてたからだろ、って言われるかもしれない。そうやって周りの目が気になっていて。でも、ニヤニヤしてなくても打たれる時は打たれる（笑）。結局、周りの目よりも、自分がどうしたらいい仕事をできるのか、一番いいやり方は何なのかを考えることが大事。集中していても、笑っていても、それが自分にとってベストな結果を出せる状態なら、それでいいんです。

　僕がそのために大事にしているのがルーティンです。

　例えば、ナイターが19時に始まるとしたら、11時半には起きて、何時に昼を食べて、何時に家を出て、球場に向かって、シャワーを浴びて、マッサージを受けて、と試合の日のタイムスケジュールは細かく決めています。いつも同じようにその手順をこなしていくと、自動的に試合の時間を迎えられるわけです。

　タイムテーブルがあれば、準備が早く済んでしまって妙な空き時間ができたり、時間に余裕がなくて慌てることもない。試合の開始時間が2時間早くなったら、予定を全て2時間早くすればいいだけです。

　これにはもう1つ利点があって、同じ状態で過ごすことで、自分の体の調子を見極めやすくなる。同じことをしていても、今日はこの前より体が重いなとか、食欲がないなとか、日々の変化がわかりやすいんです。もし、何もルーティンがなかったら、日々の違いもわからないじゃないですか。自分の調子を自分で理解する上でこれはすごく大事にしています。

先発として評価された、プラスの移籍。

　選手としてのピークがいつかはわからないけど、今のところ体がしんどいわけでもないし、毎年毎年成長できていると感じています。今回の移籍についても、みんなが考えているようなネガティブなこととは捉えていないし、僕は先発ピッチャーとして評価してもらって、すごくプラスの移籍だと思っているんです。僕のキャリアにとっては、先発ができないというのはすごく大変なこと。1年を通じて先発できるという環境は、僕自身の成長につながるでしょう。チームからもいろいろなデータを見せてもらって、先発としてもっともっと成長できるとも言ってもらえました。

　この年でまだ自分が成長できると感じられること、周りの人からそういう言葉をもらえたことはすごくうれしいですよね。今は本当にこのチームを楽しんでいますし、ここでのプレーは自分にとってもプラスになっていくと思っています。