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最強と呼ばれた“右四つ横綱”から、
新大関・朝乃山への提言。
 

text by

武蔵川光偉

武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide

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photograph byKyodo News

posted2020/03/23 20:30

最強と呼ばれた“右四つ横綱”から、新大関・朝乃山への提言。<Number Web> photograph by Kyodo News

春場所千秋楽で朝乃山が押し倒しで貴景勝を破ったシーン。無観客開催でもしっかり自らの相撲を貫いて、ついに大関へ。

白鵬は右足が相当悪いのかな?

 大関に昇進するからには、今以上に頑張らないと。

 なってからが大変なんだよな。今の倍以上稽古して、最近の大関――カド番繰り返してばかりだった先輩たちみたいにならないようにね。

 両横綱が休場を繰り返して、衰えが見え隠れするなか、大関はひとりだけだったし、ここで朝乃山が新しい風を吹き込んでくれた。

 焦らなくていいから、横綱も狙ってほしいな。期待してるよ!

 最後は白鵬と鶴竜が、ひさしぶりの横綱相星対決で最後を締めてくれた。ただ、白鵬の十二日目の正代戦は、もういっぱいいっぱいだということを示してたね。

 立ち合いから張っていって、その後もバタバタと張ってばかり。だから脇が空いて二本差されちゃったんだ。今までの白鵬だったら、立ち合いからの流れもよく、次の技が出て来ていたはずなのにな。

 横綱土俵入りの足の運びを見ても、右足が相当悪いのかな? 土俵入りの最初、今までは俵にかかとを掛けて蹲踞していたけれど、最近は違っていたね。俵を踏まず、土俵の内側に足をつけてやっていたもの。

「オリンピックまで綱を張るのを目標にしてる」と耳にしたけれど、もしオリンピックが延期になったら、それまでもたないんじゃないか? いろいろ悩むだろうけれど、横綱というのは“引き際”も大切にしないとね。その点、鶴竜にも言えることだけど。

貴景勝は、まだ「大関の体が出来てない」。

 大関の貴景勝は負け越しか。

 今場所が厳しかったのは足を見てわかった。ちゃんと治しとかなきゃ。ケガが多いのは体が硬いからでもあるんだけど、まだ「大関の体が出来てない」こともあるんだ。

 運や流れでパッと昇進してしまうと、やっぱり苦労するもの。これからはケガしない体作りをしていかないと、長持ちしないぞ?

【次ページ】 褒めたいのは三賞を受賞した隆の勝。

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