マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
野球を才能以外の武器で勝つ方法。
社会人名門・東芝で聞いた面白い話。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2020/03/06 11:35
才能に溢れた選手が次々とプロへ進んでいく社会人野球には、プロとは異なる勝ち方があるのだ。
野球の真髄が社会人にある。
「たとえば、バッティング練習ひとつにしても、なんだこいつ、プロじゃないか! って打球をガンガン飛ばしてる選手ほど、試合じゃ打てない。打ってくださいって投げてくるバッティングボールを、何も考えずにただ気分よく飛ばしているだけじゃ、ぜんぜん意味がない。実戦につながりませんから。そういう選手は、どんどん取り残されていくんです」
カラ元気を張って、派手に「黒獅子」を狙うふりをするヒマとエネルギーがあるのなら、少しでも「野球を考える」ことに使ってくれ。
「社会人野球」の現場は、かぎりなく興味深い。
野球の真髄とはなんだ? 野球の本質とは何か?
そこがのぞけたら、その向こうに、さらに広がる野球の面白さに出会うことができる。
今年はオリンピックイヤー。
みんなが五輪、五輪となびく間に、さらにこの先も、こんなに奥深い野球の殿堂なのにあまり知らされていない「社会人野球」を学んでみたいと思う。