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快挙と恩返しのフェブラリーS。
モズアスコットと人気薄2着馬の秘話。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/02/28 08:00
フェブラリ―Sを制したモズアスコットは、史上5頭目となる芝&ダートGI制覇となった。
次走は再び芝、豪GIを目指す。
そして実際に自信を感じさせる騎乗を見せた。中団につけると余裕をもったコース取りから慌てる事なく追い出し、堂々と抜け出した。危な気ないレースぶりでモズアスコットをエスコートしてみせたのだ。
ちなみに前走のレース前には「正直、ダートは走ってみないと分からない。大丈夫だとは思うけど、こればかりはやってみないと分かりません」と吐露していた。しかし、そこを1回使い、結果を出した事で、今回の自信満々の手綱捌きにつながったのだろう。
もしこのフェブラリーSが初のダート戦だったらまた違うレース運びになっていただろうし、結果も変わっていたかもしれない。
さて、二刀流を極めたモズアスコットだが、矢作調教師によると次走は再び芝に戻り、海を越えてオーストラリアのドンカスターマイル(GI、ロイヤルランドウィック競馬場、芝1600メートル)となるそうだ。
ここにはプリモシーン(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)らも出走を予定している。JRAが何を思って今年からこのレースを馬券発売の対象外にしたのか分からないが、注目されるレースとなりそうだ。
シンガリ人気馬を2着に導いた長岡。
さて、話をフェブラリーSに戻してトピックスをもう1つ。敗れた馬の中でも喝采を浴びていたのが2着のケイティブレイブ(牡7歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。
昨年はドバイワールドカップ(GI、メイダン競馬場、ダート2000メートル)を目指しドバイへ遠征しながらも現地で疝痛(はら痛)を起こし、緊急開腹手術。帰国後初戦となった浦和記念こそ優勝したものの東京大賞典、川崎記念と大舞台ではいずれも勝ち馬から大きく離される惨敗した。
今回は単勝142.6倍で16頭立てのシンガリ16番人気と評価を落とした。それでいながらも2着に食い込んでみせた事も、注目された要因だが、それ以上に話題となったのは鞍上が長岡禎仁騎手だった点だ。