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レッズ秋山翔吾が心待ちにする、
同学年の田中将大&マエケンと勝負。
posted2020/01/19 11:50
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
1995年に野茂英雄が海を渡って以来、25年が経過する今季、メジャー30球団すべてが日本人メジャーリーガー所属経験のあるチームとなった。
西武からFAで米国移籍を目指していた秋山翔吾が、これまで唯一、日本人選手が所属したことのなかったシンシナティ・レッズと正式契約を交わし、1月8日に本拠地グレートアメリカン・ボールパーク内で入団会見を行った。
昨季終盤、田沢純一がマイナー契約を結んだものの、メジャーに昇格する機会はなかった。今季、秋山が無事にメジャーデビューを果たせば、「30球団目」が実現する。
カブス、ダイヤモンドバックス、レイズ、パドレスの間で繰り広げられた争奪戦。秋山の心を動かした要素のひとつが、この「30球団目」だった。
「日本人のメジャーリーガーがこれまでに在籍していないというのはすごく大きな要因でしたし、(昨年12月の)ウインターミーティングですばらしいプレゼンテーションをして頂いたので、このチームで戦いたいという思いが強くなりました」
30球団目として名前が残る意味。
決断の背景に、3年総額2100万ドル(約23億3000万円)の好条件のほか、専属通訳、トレーナーの同行、家族の日米間往復ビジネスクラス航空券など、手厚い待遇があったことは言うまでもない。
ただ、米国中西部の地方都市は、ニューヨークやロサンゼルスなどと比較しても未知の部分が多く、特に幼い息子2人を持つ秋山にすれば、多少の不安があっても不思議ではない。
それでも、秋山は新天地としてシンシナティを選んだ。現地入り後は、新居探しを始めたほか、地元の日本人コミュニティの関係者とも会うなど、早くも足場固めを開始した。
「入団しただけでは(活躍が)かなわないことなので、自分がしっかりメジャーの舞台で戦える準備をしたい。30球団目として名前が残るのはモチベーションになると思います」
結果的に、どの球団、都市を選んだとしても、新たなチャレンジに変わりはない。だとすれば、過去にだれも所属せず、イメージの付いていないレッズでのスタートは、秋山にとって興味を引かれるチャレンジだった。