この冬で成長して春に結果を。

「“のびのびと楽しく”というのが獨協のカラーだったので、紅白戦でも気負いすぎずプレーができました」

　合宿で注目を集めたスピードスターは充実の時間を振り返った。

　一方で「注目された、これからが勝負。課題も見つかったので、この冬で成長して春に結果を残したいです」と気を引き締めることも忘れない。

　思えば、合宿前にはこんなことを言っていた。

「僕のこと、誰も知らないと思います。僕が一方的に知っている選手はたくさんいますけどね」

　そう冗談っぽく笑っていた男は、確実にこの選考合宿で評価を高め、多くの人に認められる存在になった。

　身体能力に加え、常に探究心を持つ揺るがない幹。刺激や学びという大きな養分を得て、来年の春にどんな花を咲かせていくのか。そんな期待が大いに膨らむ鮮烈な躍動だった。

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