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大谷翔平、曲芸打ちに月間9本塁打。
打力は「イチロー+松井」の2倍?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2019/07/01 17:30
6月30日(現地時間)のアスレチックス戦で、この日2本目となる12号本塁打を放つ。6月は9本目で、月間自己最多を記録。
最大の魅力は二刀流だが……。
そして、その翌日。大谷は技と力を融合させる芸術の10号本塁打を中堅左へ叩き込んだ。
3回1死一塁。先発右腕アンダーソンが投じた92マイル(約148キロ)のフロントドア・シンカーは内角の膝もとに決まろうとしていた。
この難しい球に対し、最短にバットを出し、完璧なまでのインサイドアウトのスイングでバットをボールの軌道に入れるとそのまま中堅方向へ押し込んだ。大谷はこの一打をこんな言葉で振り返った。
「引っ張ってもいいですし、センター方向に打ってもいいのかなと思う。何がいいのかなというのは関係なく、いろんなアプローチがあっていいのかなと思います」
24歳にしてこのコメント。打者・大谷の現在地は既にイチローさん、松井さんを凌いでいると言うのか。
大谷の最大の魅力は二刀流であることは言うまでもないが、超一流の打者がひしめき合うメジャーの世界で、彼は既にその頂点の一角に君臨している。
果てしない可能性を持ち、想定を超える打撃術で魅了する大谷を見るに、打者専任へ導こうとする声が多くなるのも不思議ではない。恐れいる野球選手。それが大谷翔平なのだとつくづくと感じる。