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ヴィクトリアマイルと川島信二騎手。
他界した先輩、叔父の思いを胸に。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/05/10 15:00

ヴィクトリアマイルと川島信二騎手。他界した先輩、叔父の思いを胸に。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

阪神牝馬Sでは3着だったミエノサクシード。ヴィクトリアマイルで大仕事を成し遂げるか。

初の重賞制覇、そして名馬との戦い。

 3年目にはマイネルブラウに騎乗して小倉大賞典(GIII)を優勝。自身初の重賞制覇を飾った。また、オースミハルカとのコンビでは、2003年のクイーンS(GIII)で大仕事をやってのけた。当時7戦6勝で有馬記念だけが唯一の敗戦だったファインモーションを相手に、逃げ切り勝ちを演じてみせたのだ。

 オースミハルカとのコンビで、翌'04年、クイーンSを連覇すると、続く府中牝馬S(GIII)も連勝。さらには先輩・岡騎手が勝った事のあるエリザベス女王杯(GI)で2着。翌'05年も同GIを2着に好走した。

「1年目がアドマイヤグルーヴ、2年目がスイープトウショウの2着でした。いずれ劣らぬ名牝ですからね。運がありませんでした」

現在のお手馬の中に、因縁の馬が1頭。

 ここ2年は怪我もあって、いずれも8勝に終わっているが、そんな中、彼が騎乗し、上のクラスで頑張っているのがミエノサクシードだ。

 '16年1月にデビューしたこの馬。一昨年に準オープンを勝ち、昨秋にはオープンのポートアイランドSを優勝。今年に入ってからは京都金杯(GIII)でパクスアメリカーナから4分の3馬身+クビ差の3着、阪神牝馬S(GIII)ではミッキーチャームから2分の1+クビ差の3着と善戦。今週末のヴィクトリアマイルが、'16年の秋華賞(GI、8着)以来、2度目のGI挑戦となる。

 この馬、デビュー以来、里見美惠子氏が馬主となっているが、元々は佐々木完二氏がオーナーでデビューする予定だった。ところがデビューを前にして、佐々木氏が他界。現在の里見氏に移った経緯がある。

 亡くなった佐々木完二氏は実は川島騎手の母の妹のご主人。つまり川島騎手の叔父にあたる。ちなみに、'13年にファルコンS(GIII)を勝ったインパルスヒーローは、完ニ氏が亡くなった後、佐々木政充氏に馬主名義を変更しているが、この政充氏は完ニ氏のご子息にあたる。つまり、川島騎手からすると従兄弟という関係になるわけだ。

【次ページ】 「甥っ子を乗せるため」に手に入れた馬。

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