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シニア入り目前でのグリップ改造。
1から出直す丸山茂樹のゴルフ道。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKeigo Amemiya/Number
posted2019/03/20 17:00
全米ゴルフ協会主催のシンポジウムで室伏広治と対談した丸山茂樹。シニアツアーでの復帰に向けて悪戦苦闘の日々を送っている。
成功も失敗もすべて自分で。
先のシンポジウムでは、室伏広治の父・重信ともじっくり話す時間があったという。
自らも日本選手権を12回制覇した名選手で、息子を五輪金メダリストに育てた重信から聞いたエピソードは、フォームを確認するために膝から下だけで10時間、膝から上でさらに10時間かけてビデオをチェックするというものだった。病的にも思えるこだわりにぎょっとしつつも、丸山にはどこかで納得できる部分があった。
ツアーを離れている間に出会った各界のトップランナーは、多くが似たような資質を持っていたからだ。
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「彼らの共通点というのは、みんなその競技がすごく好きで、研究熱心。なおかつ成功も失敗もすべて自分で作り上げていって、“基本”のものが仕上がっている。すでに決まっているものではなく、自分自身で作り上げていく、というのが全員に共通して言えること。そこを見つける努力の仕方が凡人とは違うんですよ」
50歳を目前にして、肉体的な衰えを自覚しながらも、変則グリップで出直しを図るゴルフ道。昔なら絶対にするはずがなかったミスに「腹立つ!」と憤りながら笑っている。
そんな丸山もはたから見ればやっぱり凡人とは映らないはずである。