猛牛のささやきBACK NUMBER
後藤駿太が二軍で長く過ごした1年。
「まだ戦力外通告は受けていない」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/11/16 08:00
後藤駿太にとってプロ8年目となる2018年シーズンは一軍出場33試合。ほとんどの期間を二軍で過ごした。
妻に「サラリーマン向き」と言われる性格。
吹っ切れた顔でそう語った。自分を変えたい。その決意が伝わってくる。
「神経質なんです。気にしぃだし、気つかいぃだし、嫁にも『サラリーマン向きの性格だ』って言われます。でも天然なところもあるので、その天然な部分を出していこうかなと。
1年目って、1億稼ぎたいとか2億稼ぎたいと思ってこの世界に入ってくるじゃないですか。でもだんだん気持ちが落ち着いてきてしまう。同じプロ野球選手には、例えば金子(千尋)さんや中島(宏之)さんのように、街を歩いていたら、周りが『うわーっ』となるようなすごい選手がいる。
そうなれる可能性はあるのに、『どうせこうだろ』と思ってしまっている自分がなんかもう、もったいなくて。だからもう一度、その可能性を信じていいんじゃないかと。自分を信じて、思い続けてやっていけばいいかなと思います」
自身の可能性に期待していた自分を取り戻し、来年こそは壁を破る。まだ25歳。ゴールはもっと先にある。