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中継ぎの盟友・須田幸太が戦力外。
DeNA田中健二朗は無念を背負う。
posted2018/11/14 07:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
いるべき場所に、いられなかった――。
今季のDeNAが大崩れせずAクラス争いができたのは、言うまでもなくリリーフ陣の踏ん張りがあったからに違いない。先発陣が軒並み不振を露呈しイニングを稼げない中、リリーフ陣はタイトなスケジュールでマウンドに上がり、打線の援護を待った。
砂田毅樹の70試合を筆頭に、三上朋也65試合、三嶋一輝60試合、パットン58試合、山崎康晃57試合といった具合にリリーフ陣は気を吐いた。勝ちパターンでマウンドに立つクローザーの山﨑以外はビハインドの場面はもちろん、回またぎの登板も珍しいことではなく、大きな負担を強いられる結果となった。
そんな勝利のために尽力したリリーフ陣ではあるが、昨季まで当たり前に存在していたピースがひとつ欠落していた。
「チームのために力になりたいと思っていたのにそれができずに残念。悔しいですね」
そう無念を滲ませるのは田中健二朗だ。
今季の不調の原因は?
11年目のサウスポー。2015年シーズンから中継ぎに専念している田中。一昨年は61試合、昨年は60試合に登板し、大車輪の活躍でチームの2年連続クライマックスシリーズ(CS)進出に貢献している。しかし今シーズンの登板はわずか11試合。防御率は6.57とプロ入りしてから最低の数値を記録した。
一体、田中に何が起こっていたのだろうか?
春先から調子が上がらない状態が続いていたが、特に田中の代名詞であるカーブのコントロールと切れが悪く、結果、投げる場所がなくなり甘いボールを被弾していた。
「確かにカーブで勝負できなかったのは大きかったですね」
田中は深くうなずく。
「精度が前の2年間とちょっと違って、他のボールで勝負しなければいけない部分があり、自分の中でそこを怖がってしまった……」