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新生ドルトムントと香川真司の境遇。
例年通り定位置を取り戻せるのか。
posted2018/10/06 09:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
ブンデスリーガ第6節レバークーゼン戦は、新生ドルトムントを強く印象付ける逆転勝利だった。
前節でニュルンベルクを7-0と大差で下したが、そこからベテランで主将経験者のマルセル・シュメルツァーのみが外れ、22歳のアブドゥ・ディアロを左SBで起用した。
先発メンバーを見ると、'80年代生まれはキャプテンマークを巻いたマルコ・ロイスと新加入のアクセル・ビツェルだけだった。ベンチに控えるのも、GKのマルビン・ヒッツ以外は皆、'90年代生まれ。ニュルンベルク戦で1ゴール1アシスト、このレバークーゼン戦でも2アシストのジェイドン・サンチョはこの日のメンバーでもっとも若い2000年生まれだ。
一気に若返っただけではない。この試合は11人中、実に5人がこの夏の新加入選手で構成されたメンバーで臨んでいた。前半を0-2とビハインドで折り返した展開。ベンチを見渡しても、いざとなったら精神的にも頼りになるシュメルツァーやルカシュ・ピシュチェクといったベテランも、そして香川真司もおらず、逆転は難しいかと思われた。
「逆転劇は強さの証明」(ロイス)
だが、後半に入ると戦況が一転。63分に投入されたパコ・アルカセルが2得点、68分に入ったサンチョが2アシストと、ルシアン・ファブレ監督の交代策がはまった形になった。彼らを先発で起用しておけば良かったとも言えるのかもしれないが、ともかく結果的には4-2と大勝した。
ロイスはこう振り返る。
「今日の試合でも大勢の若手がプレーし、レバークーゼンで2点をリードされるという厳しい状況を経験した。この圧巻の逆転劇は強さの証明だ」
主将はこの新体制がうまく回り出し、手応えを感じているようだ。こうなると、香川真司の立場はさらに苦しいものになるだろう。
そもそも、今季を迎えるにあたって、香川自身移籍の可能性は「十分にあった」のだそうだ。その移籍がどのような類のものだったのかは、今のところ明かされていない。