スポーツ百珍BACK NUMBER
運動会での「かけっこ上達法」、
ヒントは電車の車輪とAKBの曲?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2018/09/24 08:00
リオ五輪100m準決勝で同組だったウサイン・ボルトと山縣亮太。言ってみれば、かけっこの世界的頂点だ。
自分の体内にリズムを刻む時計を。
――えーと……『恋するフォーチュンクッキー』ですか?
「そうそう! あの曲はBPMが140なんですね。これを先ほどと同じ1秒間で4回のペースで足を運べれば、120BPMの曲よりもスピードアップするわけです。
実はある小学校で『恋するフォーチュンクッキー』をかけて走る練習をしたんですが、子供たちは大喜びで取り組んでいました。子供も先生もよく知っている歌だからノリやすいんでしょうね。私はうろ覚えでしたけど」
――なるほど(笑)、そう言えばテレビ中継を見ていると、レース前に音楽を聴きながらリズムをとっているスプリンターもいるような。
「その試みは、物理学として理にかなっているわけです。自分の体内にリズムを刻む時計を持っていればいいわけですね。とはいえ時計をずっと見ているわけにはいかないので、音楽を聴きながらだと、リズムが感覚的にわかる。自分の気に入ったアップテンポの曲に合わせて走っていけば体に浸透するはずですよ」
◇ ◇ ◇
こう物理学の観点から語ってくれた望月教授。もちろん教授が最初に前置きした通り、足が速くなるには一定のトレーニングが必要だ。ただこういったアプローチを頭の隅っこに入れておくだけでも、来年以降の運動会でわが子が主役に急成長してくれるかもしれない。