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運動会での「かけっこ上達法」、
ヒントは電車の車輪とAKBの曲? 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2018/09/24 08:00

運動会での「かけっこ上達法」、ヒントは電車の車輪とAKBの曲?<Number Web> photograph by AFLO

リオ五輪100m準決勝で同組だったウサイン・ボルトと山縣亮太。言ってみれば、かけっこの世界的頂点だ。

加速時は前傾姿勢をキープ。

――そ、そりゃそうですよね。

「ただ練習する時、ぼんやりと走るよりも数値的な目標や、具体的なヒントがあるとイメージしやすいのは誰でも一緒です。スポーツから離れますけど、ダイエットがまさにいい例です。“体重を2kg落としたい”と思った時、毎日体重計に乗るだけでも意識できます。それを物理的なアプローチで数字、つまり記録を向上させていけばいいんです」

――なるほど。ただ僕は学生時代から物理が苦手でして、スポーツで分かりやすく説明できるんでしょうか。

「大丈夫ですよ。簡単に説明した方が小学生にも伝わりますからね。まず、走るという動作は『加速、トップスピード、減速』の3つに分けられます。

 理論上は加速でいち早くトップスピードに入り、そのトップスピードが誰よりも速く、最後までまったく減速しなければ、五輪の100m走も運動会のかけっこも1位で駆け抜けられます」

――僕もそれくらいの理論なら、さすがにわかります。

「まず学校の算数で習った公式を思い出してみましょう。『速さ×時間=距離』という公式がありましたね。かけっこで考えると、必要なことは加速までの時間を少しでも短くするか、最高速度を上げるかのどちらかです。分かりやすい例は前者だと山縣亮太選手、後者だとウサイン・ボルト選手ですね」

――ああ、序盤に強い山懸選手、後半に入って伸びるボルト選手というイメージです。

「ここには質量、つまり体重差が反映されます。簡単に言うと、質量があればあるほど加速しづらいかわりにトップスピードは速くなります。山縣選手はスタートの反応速度を含めてトップスピードに入るまでが本当に速い。それは他のスプリンターと比べると、体重が少し軽いからという点もあります。

 ボルトの場合は体重がある(94kg)ので、少し出遅れたとしてもトップスピードに乗ってしまえば、ごぼう抜きしてしまう。報道を見ると、山縣選手もトップスピードを上げるために質量、つまり筋肉をつけているようですね」

【次ページ】 つま先着地は「地面と73度」。

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