JリーグPRESSBACK NUMBER
“長崎の徳永悠平”が味スタ帰還。
「東京に隙はない。燃えてますよ」
text by
馬場康平Kohei Baba
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/07/26 17:30
徳永悠平が、長崎の一員として味スタに帰還する。FC東京ファンとしては、足を運ばずにはいられないだろう。
長崎のアイコンになろうと奮闘中。
「力の差をいかに埋めて勝ち点を取るか。失点は減ったけど、点が取れていない。そこが今の課題。それなら守備で粘らなければいけないけど、ワンチャンスで決められてしまう。長崎は個の戦いでは、太刀打ちできない。判断、技術、スピード、パワー……足りないものをどう補っていくのか。その対策を練っていかないといけない」
今季J1に初昇格を果たした長崎は、徳永や、中村北斗、徳重健太ら国見高出身の選手たちが故郷に戻り、サッカーの街・長崎のアイコンになろうと奮闘している。そのプロジェクトにやりがいを感じたからこそ、徳永は慣れ親しんだ東京からの移籍を決断した。
「自分たちよりも力のある相手にいかにして勝つか。そこにやりがいを感じる。難しい状況をいかにモノにするのか。自分たちのスタンスは変わらない。目の前の1試合に全力を注ぐしかない」
J2降格を味わった2010年の教訓。
移籍から半年以上が過ぎ、自らの小さくない変化を口にする。
「変わったのは、良い意味で引きずらなくなった。とにかく一つ負けても切り替えることがやっぱり大切なのかなって思うようにしている」
そのきっかけとなったのが、FC東京在籍時の2010年に経験したJ2への降格だった。その時、キャプテンを務めていた徳永は、今も最終節の京都サンガF.C.戦で降格が決まった瞬間からの記憶がごっそりと抜け落ちているという。J1定着は、一戦、一戦の戦いにある。だからこそ、チームの雰囲気や空気は、重要になることを彼は知っている。
「あの時は、重い空気がずっとあった。どうしても雰囲気が悪くなると、伝染してしまう。そこは伝えていかないといけないし、悪い雰囲気を残さないことが大事だと思う」
連敗脱出へ、この古巣戦を再び浮上のきっかけにしたいところだ。徳永は客観的に東京というチームを分析し、勝利への算段を打ち立てた。