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山崎康晃はなぜ魅力的な守護神か。
度胸と「ありがとう」が言える愛嬌。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byTetsuo Kashiwada
posted2018/07/02 08:00
マウンドに立つと不敵な表情で相手を抑え込む山崎康晃。試合前に見せた表情はとてもあどけないものだった。
4年目、チームを引っ張っていかないと。
悔しい終わり方になったとはいえ、'17年の山崎はチーム最多の68試合に登板し、防御率はキャリアハイの1.64をマークした。トータルで見れば充実したシーズン、たしかな自信を得たという。
「いろんな部分で成長したと思いますけど、いちばんは気持ちかな。実戦の中ですごく堂々としていたなと思います。それが毎年できればスター選手になれるんでしょうけど、ぼく自身はまだまだだと思ってる。今年はよりパワーアップした姿を皆さんにお見せできるシーズンにしたい。4年目となれば、後輩も増えてきて、チームを引っ張っていく気持ちも持たないと。そういうところも気にしながらやっていきたいですね」
9回のマウンドで発露する度胸と、ファンを前にしてあふれる愛嬌。それらがないまぜとなって山崎康晃の魅力は形作られる。決して大きくない体で、抑えというタフな役回りを担うのだ。
これからも苦難はあるだろうが、復活しては顔をくしゃくしゃにして笑顔と涙をこぼし、そうやってまたファンを増やしていくに違いない。
(Number949号『山崎康晃 「度胸と愛嬌のコミュニケーション」』より)