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米国から見た日大アメフト部問題。
NFLでは告発者にセカンドチャンスが!
posted2018/05/24 14:30
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Kyodo News
一連の日大のアメフト反則問題、当該選手の記者会見、それに対する大学側の対応などを見て、多くの人が重苦しい気持ちを感じているのではないだろうか。
今回の問題が起こる前に選手たち自身が何か行動を起こせなかったのか――過去に似たようなプレーが行われたことはないのか、気になることばかりだ。
この問題は、チームから干されていた選手がスターティングメンバーの座を取り戻すために行ったわけだが、実はアメフト発祥の地・米国では、「相手を怪我させたらボーナスを与える」というケースが実際に過去に起きていた。
怪我をさせればボーナスが与えられる制度!?
2012年に米国NFLに大激震を与えたのが、2009年シーズンにスーパーボウルで優勝したニューオーリンズ・セインツの監督、コーチ陣、そして選手が、相手チーム選手に激しくタックルしたり、怪我をさせると、加害者側の選手にボーナスを与える“Bounty Program(バウンティ・プログラム:ボーナス制度)”を行っていたという事件だ。
これは「ウォーターゲート事件」をもじって「バウンティ・ゲート事件」と呼ばれ、一大スキャンダルとして全米で大きく報じられた。
セインツでは2009年から2011年に、守備コーチのグレッグ・ウィリアムス主導で、チームの22~27人のディフェンス選手がこのボーナス制度に参加していたと言われる。
コーチとディフェンス選手がお金を出しあい、相手チームの選手が怪我で退場に至った場合は1500ドル、退場させた場合は1000ドル、倒した場合は400ドルなどと細かく金額が設定されていた。
逆にタックルの機会を逃したり、反則をとられた場合は「貸し」になり、その分は現金かプレーで支払わなければならなかったとのこと。