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本田真凜、拠点を米国に移す決断。
アルトゥニアンコーチを選んだ理由。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2018/04/06 08:00
3月31日の「スターズ・オン・アイス」公演後、アルトゥニアンコーチに師事することを自らの口で語った本田。
目を赤くし、本田が語っていた悔い。
一方の本田はこう語った。
「自分なりに(10月の)ジャパンオープンが終わってから練習してきたかなと思っていたんですけど、改善していかないといけないところがたくさんあるのかなと思います」
翌週の中国杯でも立て直すまでには至らず総合5位。オリンピック出場は全日本選手権の成績に委ねられることになったが、中国杯から約1カ月半をおいて迎えた全日本でもショートでジャンプに失敗があり6位。フリーでもミスが出て総合7位に終わった。
試合後、赤い目をした本田の口を突いて出たのは、悔いばかりだった。
「今はまだ分からないけれど、自分のやってきたことに間違いがあったのかなと思いました。(ショートが終わってから)自分の中で気持ちを保てていませんでした」
何よりも大きかったのは、自信を持って滑ることができなかったことだった。
「フリーは緊張して……。すごく緊張して、思い切り演技ができなかったので、後悔というより、すごく悔しいです。自分が描いていたスケート人生とは今日で変わっていくと思うけれど……今はあまりスケートのことが考えられない……けれど、考えていきたいなと思います」
「女子の進化についていけるように」
なぜ緊張に負けたのか。どうして自信を持って、リンクに立つことができなかったのか。悔しさを打ち消すにはどうすればよいのか。
考えた末に出した答えが、環境を変えるという決断だった。
これから伸ばしたい部分について、本田は具体的に語った。
「ジャンプをトップの選手についていけるようにしたいと思っているのがいちばんです。安定感だったり女子の進化についていけるように頑張りたいと思います」
その観点からすると、移籍先の選択は妥当であるように思える。アルトゥニアン氏は、技術面、とりわけジャンプの指導において定評があるからだ。昨シーズンはジャンプが決まらない試合が多かっただけに、修正が効き、さらにレベルアップを図れれば、おのずと成績も上がっていくことになる。