【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『スクール・ウォーズ』再上映決定!
サンウルブズのためならクビになる。
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byKiichi Matsumoto
posted2018/03/01 18:30
サンウルブズは2月24日の開幕戦、ブランビーズと戦い25-32で惜敗。強豪相手に前半リードで折り返す好ゲームだった。
いつの時代も人を結びつける愛は存在する。
『スクール・ウォーズ』はラグビーにとって唯一、社会現象を巻き起こしたコンテンツでした。私を含む40~50代の人間で、このドラマを知らない人はほぼいないと思います。これほど日本のラグビー人気に貢献した作品は他にありません。
物語の一部には現代では考えられない指導風景がありますが、あくまでもフィクションであり、作品です。大きな問題として扱うことではないと考えます。
また、作品全体をしっかり観れば、教師が生徒に成長してほしいと本気で願う愛、そして双方に築かれた固い信頼関係が伝わる作品です。
時代が移り表現方法が違っても、人と人を結びつける愛は存在する。『スクール・ウォーズ』はそう感じさせてくれる不朽の名作です。また、世の中すべてのことにいえることですが、一部だけを切り抜いてイメージを決めるのは、おかしいと思います。
この件を通して、『スクール・ウォーズ』上映に限らず、ラグビー界でものごとを変えるのがいかに難しいかを痛感しました。「変えたい」と発していた各所が、実は変わりたくないのではないか?
それが今回、私が感じた絶望でした。
選手やファンの皆様には勝って幸せに……。
働く人間の目が組織の内側を向いているうちは、競技の魅力は広まりません。選手のため、ファンの皆様のためにできることをもっと考えなければ、プロスポーツとして発展することはできません。
今回の件に関しては、次のレベルズ戦で『スクール・ウォーズ』を上映します。私が責任を負うつもりです。私はもっと外向きの発信、楽しめるスポーツエンターテインメントの実現を目指しています。
選手たちからも「期待してます! 変えてください!」と言われており、何とかしてあげたいという思いがより強まっています。