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若手野手ブレイクの方程式発見!?
今季と来季注目すべき選手とは。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/02/12 11:30
2017年セ首位打者に輝いた宮崎。長打率や安打数を見てみると、そのブレークは必然だったのかもしれない。
DeNA宮崎の「長打率4割超」は見逃せなかった。
ブレイク候補を予想する際に数字だけで判断することは、主観を排除できるという利点がある。
たとえば、昨年セ・リーグで首位打者になった宮崎敏郎(DeNA)は'14年に二軍で長打率.432(安打85)、一軍では'15年に44安打、'16年に88安打を放ち、レギュラーになっている。もし「長打率4割超え」という視点がなかったら、'12年ドラフト6位の宮崎に注目することは、私にはできなかったと思う。
では、今年「第2の宮崎」になるのは誰なのか、過去1~2年の成績を見ながら考えていきたい。
ソフトバンク甲斐は打撃でも一流になれるか。
まず「'16年:二軍で長打率4割超、'17年:一軍で30安打以上」放った選手を調べていった。今回は40安打を打った選手が少なく、ハードルを30安打に下げたことをご了承願いたい。
昨年、パ・リーグ捕手部門のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞した甲斐拓也(ソフトバンク)は、守備はすでに球界を代表するレベルだが、バッティングでも一流になれるかは今年の成績にかかっている。甲斐以外では横尾俊建(日本ハム)、バティスタ(広島)にブレイクの予感が漂う。
甲斐拓也 '16年二軍/長打率.535→'17年一軍/安打48
横尾俊建 '16年二軍/長打率.485→'17年一軍/安打32
バティスタ '16年二軍/長打率.419→'17年一軍/安打32
横尾は守備位置が問題になりそうだが、昨年は一軍で一塁13試合、二塁13試合、三塁5試合、外野13試合を守って失策はゼロだったので、堅実さは評価できる。
バティスタはホームラン王候補にも名前が挙げられるほど長打力が抜きん出ているので、今さらレギュラー争い云々の話はしなくてもいいだろう。