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大坂なおみの快進撃は'18年も続く。
「ベイビー・セリーナは光栄よ」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byHiromasa Mano
posted2018/01/17 08:00
男子顔負けのパワーテニスを見せる大坂。2018年、世界を震撼させるプレーを見せるか。
女子がないがしろにしていたサーブを武器に。
そして技術面では、'18年へ向けてより大きな自信をつかんでいる。今年は課題としていたフォアハンドで多くのウィナーを繰り出せるようになったが、トロント、そして全米オープンの戦いでは、サーブが大きな武器になった。
「トロントでのプリスコバとのゲームは、サーブが安定していたんです。それまでも、自分のサービスはトップレベルにあるとは思っていたけれど、それが試合中に表現できて、全米オープンにつながった感じ」
大坂のサービスのレベルアップに貢献したのが、テイラーコーチだ。彼はアメリカの新聞の取材に対し、サービスゲームの重要性をこう話している。
「女子のテニスで、いちばんないがしろにされてきたのがサーブなんだ。男子のテニスはサービスゲームをキープするのが当たり前で、選手たちはそれにふさわしい技術を磨いている。セカンド・サービスの進化がいい例だ。でも、女子はサーブにそこまで重きを置いていない。彼女たちは相手のサービスゲームをブレイクすることにフォーカスし過ぎている。大切なのは、シンプルに自分のサービスゲームを『キープ』することで、なおみにはそれが可能だ」
最速200km超のサーブは現段階でもトップレベル。
大坂のサーブは最速200kmを超える。ケルバー戦で大坂は、一度もサービスゲームを落とすことなく、主導権を握ったまま試合を進めることが出来た。すでに女子選手の間では、記者会見で大坂のサーブに対する警戒感が話題に上ることも珍しくなくなった。大坂もサーブに関しては、絶対的な自信を持っている。
「現段階でも、私のサーブ力はトップレベルにあると思うし、来年はそれをよりうまく試合の中で生かせるようにしたいです」
これまで四大大会ではいずれも3回戦進出が最高の成績。来年はベスト16、そして準々決勝以上への進出が期待される。そのためには、ランキングを上げることでシード順を向上させたい。