猛牛のささやきBACK NUMBER
ロメロがいると、オリックスが回る。
不在期間の8勝22敗から復帰後6連勝!
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2017/06/08 08:00
打率はさほど高くないが、長打力に加えて、何よりロメロがいるとチームに芯が通る。
本来はDHより守備につきたいタイプのロメロ。
ロメロ不在の間、4番を務めることもあった小谷野はこう言った。
「打てる打てないに関わらず、圧倒的な存在感がありますよね。やっぱり彼があそこ(4番)にいてくれるとしっくりくる。一振りで決められる選手ってなかなかいないし、特に彼はチャンスで決められる選手だから。やっぱり4番とエースがどっしりしてくれるとやりやすい。どんなに打てなくても、どんなに勝てなくても、ずっと居座り続けてくれる4番と、ローテを守ってくれるエースがいるチームは強いんじゃないかと思う。代役を作らなくていい環境で1年間やれた方がいいですからね」
本来、ロメロは守備につくことで前の打席をリセットし、また新たな気持ちで次の打席に臨むというサイクルでリズムを作るタイプ。DHの場合、前の打席のことを次の打席まで引きずってしまうという難しさがあると言う。それでも打席をこなすごとに徐々に状態を上げ、3戦目には「やっとバットの芯で捉えられるタイミングで振れた」と手応えを語った。
巨人を相手に劇的な逆転の狼煙をあげた。
続く東京ドームでの巨人3連戦はDHがないため代打で出場した。その初戦、1-4とビハインドの9回2アウトで打席に立つと、スコット・マシソンから豪快に本塁打を放ち反撃の狼煙をあげた。安達、小谷野がタイムリーで続いて一気に同点に追いつき、延長戦の末、逆転勝利をおさめた。
「代打の場合は試合の状況を見ながら、体を温めたり自分の状態を上げていかなきゃいけない。あの試合は1-4で負けていて、マシソンが出てきた。彼は速いボールを投げるので、それをしっかりイメージしながら準備をして打席に入った。それがうまくいったね」
勢いに乗り巨人にも3連勝。ロメロ不在の間、8勝22敗だったチームは、ロメロが戻ったとたん6連勝し、最大9あった借金を2に減らした。
6月6日の阪神戦に敗れて連勝は止まったが、交流戦首位は変わらない。救世主の戻ったオリックスが再び上昇気流に乗りそうだ。