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ロメロがいると、オリックスが回る。
不在期間の8勝22敗から復帰後6連勝! 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2017/06/08 08:00

ロメロがいると、オリックスが回る。不在期間の8勝22敗から復帰後6連勝!<Number Web> photograph by Kyodo News

打率はさほど高くないが、長打力に加えて、何よりロメロがいるとチームに芯が通る。

駿太「なんなんだこいつは?」

 たまりかねた福良淳一監督は、まだ二軍でも試合復帰していないロメロを、交流戦初日の5月30日に呼び寄せ、フリー打撃を見た上で一軍登録を決めた。「出てくれ、と頼みました」と指揮官は明かした。

 左膝の状態が万全ではないためDHではあるが、さっそく4番でスタメン出場。復帰後初打席は、東京ヤクルトに1点を先制された直後の1回裏、1アウト一、三塁の場面。そこでロメロはサードゴロながら、三塁ランナーの宮崎祐樹を返し1-1の同点に追いついた。

「なんなんだこいつは?」

 その時、ベンチから見ていた駿太はこう思ったという。

「だって、復帰初戦で、いきなりサードゴロで1点取れた。あれがみんなできなくてずっと悩んでいたのに、簡単にやっちゃうんですから」

 7回裏には、それまでの戦いが嘘のように打線がつながり、一挙7点を奪って約1カ月ぶりの連勝となった。福良監督は、「ロメロが入ることで周りがいきてくる」と胸をなで下ろした。

武田、安達、駿太、宮崎が口を揃えて……。

 選手たちもロメロ効果を口にした。この日3打点を挙げた武田健吾は、「ロメロがいるだけで安心する。打ってくれそうな気がするし、すごく大きな存在です」。

 安達了一は、「(ロメロが離脱する)前は得点が入っていたので、ロメロがいるだけで何か起きそう、というのがある。飛ばす力とかスイングスピードとか、持っているものがすごいので」。

 駿太も、「ここぞという時に打ってくれたという実績があるし、あとは性格。堂々としていて、打てても打てなくても表情を変えず、次は何とかしよう、というふうに見える。4番を打つ人がどっしりしてくれていると、すごく安心できます」と言う。

 また宮崎は「ロメロはロングを打てるし、相手にとって嫌だと思う。相手ピッチャーはどうしてもそこに神経を使うでしょうね」と分析した。

 ロメロ自身はまだ本調子には遠かったが、周りの選手たちは呪縛が解けたかのように動きだし、ヤクルトに3連勝した。

【次ページ】 本来はDHより守備につきたいタイプのロメロ。

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#オリックス・バファローズ
#ステフェン・ロメロ

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