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大学で第3GK、U-20正GKが感じた隙。
小島亨介に待つW杯後のギャップ。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byAFLO

posted2017/06/07 08:00

大学で第3GK、U-20正GKが感じた隙。小島亨介に待つW杯後のギャップ。<Number Web> photograph by AFLO

ウルグアイやイタリア、ベネズエラなどとの真剣勝負はW杯だからこそ経験できるもの。小島は大学サッカーの舞台でその感覚を忘れずプレーできるか。

大会直前に負傷しても正GKに起用した指揮官の信頼。

 この積み重ねこそが、内山監督の信頼を勝ち取った理由だった。小島が大会直前の4月に負傷離脱しても、指揮官は回復を最後まで待ち続け、U-20W杯メンバーに選出した。静岡合宿スタート時は別メニューだったが、最後の調整試合であるU-20ホンジュラス戦にスタメンで送り出し、正GKとして起用する意図が見て取れた。

「関東大学リーグ開幕の3日前のトレーニングで左足首をねん挫してしまって……それ以降、試合に出ていない状態でした。でも、起用してくれるのに自信のないプレーをしたら意味がない。ピッチに立つ以上、自信を持って自分の力を出し切ることだけ考えた」

 不安を感じたり自信をなくしては、絶対に良いプレーはできない。それは早稲田大での2年間で痛いほど味わったものだ。その経験を土台にして1カ月のブランクという不安要素をぬぐい去った。ホンジュラス戦では45分間プレーして2失点こそ喫したが、どちらもGKに責任をかぶせるような失点ではなかった。このシーン以外は終始安定したプレーを見せ、怪我の影響を感じさせない出来だった。

自分のミスを認識したからこそ、本番でも好セーブが。

 試合後、彼に話を聞いて印象的だったのは、自信と冷静さを感じさせる言葉だった。

「1失点目は、もっと我慢してシュートコースを切るべきだったのですが、相手のトラップがちょっと前に流れたので、我慢出来ずに滑り込んでしまった。僕の飛び込みたい気持ちが前に出てしまったので、次は状況を見て、冷静に対処したい」

 自分のミスを認識し、把握していた。つまりそれは、試合の感触をしっかりと掴めている証拠だった。

「間合いの詰め方も間違いなくホンジュラス戦で掴めたので、あとは止めるだけです」

 小島は、U-20W杯で有言実行のプレーを見せた。南アフリカ戦では2回の1対1で見事にコースを切ってシュートを枠に飛ばさせなかった。続くウルグアイ戦も開始早々の10分に迎えた1対1の大ピンチでも相手がヘッドダウンした瞬間を見逃さず、身体を投げ出して間合いを詰めたことで、ゴールを許さなかった。

 敗戦したとはいえベネズエラ戦でも19分に訪れた1対1のピンチを完璧にセーブし、68分のミドルシュートも見事なセービングではじき出すなど、存在感は十分に発揮した。

【次ページ】 「世界で感じた隙を、早稲田で埋めていかないと」

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