試合前、ハリルホジッチ監督は強気だった。

　実はタイ戦の前日監督会見で、ハリルホジッチ監督は強気だった。

「今まで日本は、アウェーでは困難な戦いとなった。UAEでは勝ったことがなかったが、歴史上1度も勝ったことがない地で勝てた。このチームはアウェーでも勝つんだということを見せられたと思う。だから私は楽観的だ」

　対戦相手のスカウティングに注力し、ストロングポイントを抑え込むことに長けた指揮官は、ディフェンスラインを下げてUAEのエースに仕事をさせなかった。守備に奔走した香川は、UAE戦のあと次のように話した。

「今日はサイドバックが相手のカウンターを警戒して、あまり攻撃に参加していなかった。そうなると必然的に前の3人での速い攻撃が求められる。ポゼッションが難しいなかで、カウンターで取れた2点は、狙い通りだった。むしろ、そこ（カウンター）がこのチームの一番の強みになりつつあるので。それは割り切ってやるしかない」

香川「遅攻の時間帯が作れないのは課題」

　堅守速攻が日本の新しい武器になりつつあるのは間違いない。しかし、UAE戦に先発した大迫勇也の言葉が心に残る。

「チームとしてうまく時間を作って、ボールを回すのか、速い攻撃をするのか、そこを突き詰めないといけない。今日もフワッとしている時間帯があったことは事実。ひとりひとりがどうしたいのか、というところをもっと突きつめていきたいですね」

　香川も遅攻についてこう語っている。

「試合前には（遅攻について）話もしていたなかで、どこまでやれるかっていうところはあった。ひとりひとりが距離感を縮めながら、ポゼッションでどこまで崩せるか、遅攻する時間帯が作れないというのは、ウィークポイント、ひとつの課題だと思う」

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