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田中浩康、DeNAで“34歳の新人”に。
2番・二塁、古巣神宮での開幕戦へ。
posted2017/03/27 07:00
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
Kyodo News
このままいけば「2番・セカンド」で開幕を迎えることになりそうだ。
今シーズンからベイスターズに加入した田中浩康が、たしかな存在感を示している。
12年間在籍したヤクルトでは、ポジションが重複する山田哲人の台頭もあり、昨シーズンのスタメンに名を連ねたのはわずかに2試合。しかも一塁手としての出場だった。指導者転向の打診を固辞すると、新天地の横浜で再出発する道を選んだ。
浦添ではなく宜野湾でのキャンプイン。田中の動きは、かつてヤクルトでチームメイトだったアレックス・ラミレス監督の目に留まる。
田中はベイスターズに足りない部分を埋める、ぴったりのピースになりうると期待されていた。
昨シーズンは5人が入れ替わり務めた二塁手として。
昨シーズンは13人が入れ替わり務めた2番打者として。
まさに“泣きどころ”だったポジションで田中を起用する――指揮官はその思いを徐々に強くしていった。
ラミレス監督は“2番・田中浩”構想を温めている。
2月中旬、ラミレス監督はこう明かした。
「試合勘を取り戻し、ケガなく乗り切ることができればという条件つきだが、現状では田中が二塁手の一番手だ。打線では田中を2番に置く“プランA”と、梶谷(隆幸)を2番で使う“プランB”の2パターンを考えている。スモールベースボールができるプランAを基本線にしたいと考えているが、まだ何とも言えないところもある。すべては田中次第だ」
やがてオープン戦が始まると、背番号67はベテランらしい安定したプレーを披露した。持ち前のしぶとい打撃で打率.308(26打数8安打・3月23日終了時点)をマークし、堅実な守りも健在。連日のスタメン起用を見る限り、「試合勘」と「ケガなく」という2つの条件は、ここまでのところクリアできていると考えていいだろう。