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上原浩治は淡々、川崎宗則は饒舌。
世界一を目指す異色のチームメイト。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/02/28 08:00
108年ぶりのカブス世界一の瞬間に立ち会った川崎。今季は上原とともに連覇に挑戦する。
川崎はいつも通り、目立ちすぎるほど目立っていた。
精悍な顔つきにそれが表れていた。日本で10年、大リーグで9年目を迎える41歳のベテランが現役を続けていくためには、それなりの「裏付け」が必要だ。単なる「偶然」では18年もプロ野球選手でいられない。
求道者のような雰囲気を漂わせ、淡々とキャンプを過ごす上原とは対照的に、川崎はいつも通り、目立ちすぎるほど目立っていた。
「例年通り、キャンプにもってこいのいい感じの時差ボケ。あまり時差ボケがないと寝坊するんで。4時、5時に起きるから、ちょうどいい。1週間ぐらい時差ボケで、試合が始まった頃にちょうど良くなる」
「6年もおってチャンスなんて思わないでしょう」
相変わらずの「ムネリン節」だ。だが、饒舌な半面、とても現実的でもあるのが川崎という選手だ。だから今年も希望的観測はまったく持ち込まない。
「こんなのチャンスとは思わない。残念ながら。(米国に)6年もおってチャンスなんて思わないでしょう。チャンスはピンチだね。逆に」
WBCの開催で主力が欠けることもあり、オープン戦でも出場機会=アピールする場所が増える。
そう考えればチャンスのようにも思えるが、マイナー契約から大リーグ昇格を狙うという立場上、まったく関係ない。
それを過去の実体験で分かっているからこそ、こういうことも平気で口にする。