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大久保が前線から、林が後ろから。
2人が問題視するFC東京の「甘さ」。 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2017/02/07 07:00

大久保が前線から、林が後ろから。2人が問題視するFC東京の「甘さ」。<Number Web> photograph by AFLO

大久保嘉人が川崎にもたらしたのはゴールだけではなかった。FC東京でも、チームにポジティブな緊張感を与えられるか。

GKからFWまで、新旧の代表選手がずらりと揃う。

 ゴール前を固めるのは、日本代表の3人、森重と丸山祐市のセンターバックコンビとGK林。右サイドバックはリオ五輪代表の室屋成と元日本代表の徳永悠平が争い、1トップはJ1得点王に過去3度輝いた大久保と、2度の前田遼一が争うことになる。

 ボランチには、北京五輪代表の梶山陽平、スペインのサバデルで2シーズンプレーした田邉草民、元日本代表の米本拓司、リオ五輪代表候補の橋本拳人と実力者が揃い、おそらくそこに高萩が加わる。

 中盤2列目は永井、ロンドン五輪代表の東慶悟、リオ五輪代表の中島翔哉、さらに河野広貴、阿部拓馬、石川直宏、オーストラリア代表のネイサン・バーンズらも控える。こうして書き記すと、改めて新旧日本代表と五輪代表ばかりということが分かる。

自分にも周りにも厳しい大久保が「変化」のきっかけに。

「変化」が今シーズンのテーマだとすれば、キーマンの1人は大久保だろう。

 J1通算171ゴールをマークし、川崎フロンターレ時代の4年間で東京から7ゴールを奪った“東京キラー”でもあるが、魅力は得点力だけではない。周りに厳しく指摘し、要求できること――それが、過去に獲得したストライカーと大きく異なる点だ。

 1月26日に行なわれた大宮アルディージャとのトレーニングマッチでは、ドリブル突破から強引にシュートに持ち込んだ中島に、さっそく大声で要求するシーンがあった。

「翔哉はすごく良いものを持っているけど、全部がこう(両手で視野を狭めるポーズ)だからもったいない。俺が伝えないと分からないと思うから、あえて言いました。翔哉に限らず若手には気付いたらアドバイスしたい。自分が若い頃、先輩から言われて気付いたことがたくさんあった。だからフロンターレでも(大島)僚太とかに言ってましたし。それはもう、自分がやらないといけないなって」

 リーグタイトルを獲得するには、練習中から試合のように厳しく指摘し合う妥協なき雰囲気が不可欠だ。国見高校時代の後輩で、良き理解者である徳永は「嘉人さんは高い要求をしてくると思うけど、それは勝負にこだわっている証拠。そういう姿勢は学ばなければいけない」と、大久保の歯に衣着せぬ発言を歓迎している。

【次ページ】 GK林も、昨季までいた羽生もFC東京の「甘さ」を指摘。

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