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「心のせいにして技術から逃げてた」
10年目・石川遼が向き合う“悪癖”。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2017/01/25 11:00
衝撃的なプロデビューから約9年を経たとはいえ、石川はまだ25歳。プロゴルファーとして脂の乗ってくる年齢である。
「逃げていて、自分の中で問題提起してこなかった」
そんな厳しい現実にも、正面から向き合わなければならない。
「いまは……本当に必要なことをやっている。他の選手が60、70%の精度で打てるところを、自分の精度は30%くらいしかない感じ。1試合ごとに数%ずつ上げることが、将来的にここで戦うために必要なこと。いままでそこから逃げていて、自分の中で問題提起してこなかった。あまり深く考えず『いまの状態でも戦える』と思っていた」
いつもポジティブに、前向きに。数日前、数時間前までの悪いイメージを頭から取り去り、気持ちを即座に切り替える。連戦を戦うプロにとって、それは否定されるべきものではない。
だが「技術的に、根本的に改善しなくちゃいけない部分がある。いままでは『技術的にはいける』なんていう変な自信があった。ミスをメンタル面の弱さで片づけていた」と振り返る。
25歳で迎えたプロ10年目、弱さを認めぬ自分と決別を。
気付いた悪癖は、スイングや技術論におけるものだけではない。手にしたわずかな収穫を過大評価して、大きな問題から目をそらす甘さが、自分にはなかったか――。そう、過去の姿勢を悔いている。
弱さを認めない自分と決別すること。ビデオカメラの中の現実も、曇りなき眼で見つめること。
25歳で迎えたプロ10年目の誓いは、過去の自分との決別でもある。
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